2018年6月にシンガポールで行われた初の米朝首脳会談で、金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長とトランプ前大統領が交わした会話の内容が公開されました。
アメリカの中央情報局CIAのコリア・ミッションセンター長を務めたアンドリュー・キム前センター長が、当時の状況を明らかにしました。
キム前センター長によりますと、シンガポールで会談が行われた当時、金委員長がトランプ前大統領に自分のことをどう思うか尋ね、トランプ前大統領は賢くて多少秘密めいた印象だと前向きに答えたものの、これは金委員長が求めていた答えではなかったようだということです。
その後金委員長は、自分を信頼できるか尋ね、トランプ前大統領が信頼していると答えたところ、やっと満足そうな表情を見せたということです。
キム前センター長は、金委員長がアメリカとの非核化交渉を始める際に、自分に対する信頼を確認したかったとみています。
金委員長は、トランプ前大統領から聞きたかった答えを導き出したあと、交渉を力強く主導し、妹の金与正（キム・ヨジョン）朝鮮労働党副部長は、高官たちに非常に礼儀正しく接したということです。
キム前センター長は、バイデン政権の対北韓政策について、北韓はより具体的なロードマップを求めているはずだと話しました。
また南北首脳会談については、南北の首脳が直接会うのは難しいが、文在寅（ムン・ジェイン）大統領の任期内にテレビ電話形式で会談が行われる可能性があるとしました。

[Photo : YONHAP News]