韓米両国は文在寅（ムン・ジェイン）前大統領を北韓に特使として派遣する動きをみせているという見方が出ています。
これは元統一部長官の丁世鉉（チョン・セヒョン）氏が16日、CBSのラジオ番組に出演して述べたもので、丁氏はこの中で「アメリカのバイデン大統領が21日に韓米首脳会談を終えて日本に向かう前に文在寅（ムン・ジェイン）大統領に会うことになっているが、忙しいバイデン大統領が文大統領に会うのは友情を深めるためではない」としたうえで、「北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長と特別な関係にある人が2人いるが、それはトランプ前大統領と文在寅前大統領だ。トランプ前大統領を特使として派遣することはできないため、文前大統領を特使として北韓に派遣することを検討しているもようだ」と述べました。
丁氏はそのうえで、「カーター元大統領も1994年に北韓を訪問しており、クリントン元大統領も2009年に北韓に行って抑留されていたアメリカ人を連れ帰ったことがある」と述べました。
丁氏はまた、権寧世（クォン・ヨンセ）統一部長官が人事聴聞会の際に「文前大統領を北韓に派遣する特使として検討することも考えられる」と述べたことに言及し、「これについて、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領とアメリカ政府の間ですでに共通認識ができていたものとみられる」との見方を示しました。

[Photo : YONHAP News]