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国外移住韓国人の兵役義務

2004-07-22

国外移住韓国人の兵役義務
韓国の兵務庁は国外移住兵役対象者についての兵役法令の改正を進めています。
韓国では、国防の義務、納税の義務、教育の義務、勤労の義務、この四つが国民の4大義務 となっています。中でも国防の義務は最も重要で神聖な義務の一つです。韓国人男性は誰でも法律が定めるところによって兵役の義務を果たさなければなりません。
では国外移住者の場合 はどうでしょうか。国外に移住し、永住権を取得した人は、生活の基盤を移住先の国に移して、そこで生活することになりますので、原則的に兵役の義務はありません。
家族が全員移住した場合は兵役を免除していますし、家族の一部または本人だけが移住して永住権を取得した場合 は兵役義務の対象となる満35歳まで兵役を延期しており、事実上こちらも兵役が免除されています。
しかし、国外移住者の場合でも兵役が課せられる場合もあります。韓国に帰国して1年以上長期滞在したり、営利を目的とする活動に 携わる場合は、兵役の対象となります。
この場合は、国外に移住したと言えども生活の基盤が韓国にあるとみなして、兵役を課しているのです。
一昨年、ある人気歌手が韓国への入国を拒否されたことがありました。この歌手は子どものときに親と一緒 にアメリカに移住し、永住権を取得しましたが、韓国でデビューして、歌手として活動していました。
国外移住者の場合、1年以上韓国 に継続して滞在すると兵役の対象になるので、少なくとも年に1回はアメリカに戻り、また、大学に在学していれば在学期間中 は兵役が免除されることから、大学に籍を置いて、歌手として活動していました。
兵務庁は、この歌手が国外に移住して永住権を取得しているとはいうものの、韓国を生活の基盤として営利活動に携 わっているとして、兵役対象者であると解釈し、兵役の義務を果たすか、アメリカに戻るか、選択するよう促しました。
結局、この歌手はアメリカに戻り、兵役の対象とならないためにアメリカ市民権を取得して、再び韓国へ入国しようとしましたが、出入国管理局は、この歌手が兵役を逃れるために兵役法令を悪用したとして、入国を拒否しました。
最近の韓国の芸能界を見ますと、子どものころにアメリカに移住し、韓国に戻ってきて芸能活動をしている芸能人が結構います。
兵務庁がこのほど国外移住兵役対象者についての兵役法令の改正を進めているのは、兵役の公正さを期すためです。
国外移住者の兵役については、兵役が免除される年齢 を上向き調整したり、韓国で継続して滞在できる期間が1年から6カ月に短縮されるなど、より厳しくなる見通しです。
神聖かつ重大な国防の義務を、国外移住者でも韓国に生活の基盤を置き、事実上韓国民と同様に活動するならば、韓国民としての義務も果たさなければならないという趣旨からです。
国外移住者、在外国民といいますと、当然、在日韓国人も含まれます。在日韓国人の場合 、日本に帰化した人は韓国籍ではないので、当然ですが兵役の対象になりません。韓国籍を維持している在日韓国人の場合 はどうでしょうか。
在日韓国人の場合も基本的には他の国に移住した人と同様に兵役法令の適用を受けます。
在日韓国人はほとんどが永住権がありますので、事実上兵役の義務はありませんが、韓国に長期滞在する場合 、事前に承認を得なければ、他の国外移住者と同様に兵役を課せられるケースもあります。
韓国の大学に留学したり、大学付設の語学学校で韓国語を勉強 する国外移住者が増えていますが、現行の兵役法令は、韓国に長期滞在する場合 でも大学に在学している者については兵役を免除あるいは延期していますが、語学学校の場合 は正規の教育機関として認めず、兵役の免除や延期の対象に含まれませんでした。
今度の兵役法令の改正案では、大学付設の語学学校も正規の教育機関として認めることにしています。
国外移住兵役対象者に関する兵役法令の改正は、兵役の義務を公正に課するという趣旨で進められていますが、各種の手続きを簡素化し、大学付設の語学学校を正規の教育機関として認めるなど、より多くの在外韓国人が韓国を訪問し、生活できるようにするための改正でもあります。

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