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タワーマンションの火災

#マル秘社会面 l 2020-10-14

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

日本でも報道されましたが、8日の夜に慶尚南道 蔚山で33階建てのタワーマンションから火災が発生しました。このマンションは住商複合で下の方が商業施設となっており3階のテラスから火事が発生し、外壁を伝わりあっという間にマンション全体が炎に包まれました。

大きな火は2時間後に抑えられたものの、完全な鎮火には5時間以上もかかりました。しかしこれだけの大きな火災だったにもかかわらず死亡者、重傷者などの人名被害はありませんでした。これは住民と消防当局の迅速、適切な対応の結果です。

蔚山消防本部は「負傷者の中には消防隊員1人が含まれている。ほとんどは軽傷者で、治療後に退院し、重傷者3人も容体が好転し帰宅した。死亡者はいない」としています。また14階に住む住民(50代)は「初めに消防士8人ほどが『焦げたにおいがする』という通報を受けて来て、下の階に降りて確認作業をしていたが、その時急に13階から火柱が上がった」と語っています。

蔚山消防本部は当時、高架はしご車を動員しても高層部の火災鎮圧に限界が生じると、消防隊員をマンションの中に送り、各部屋を回らせ、内部に移った火を消し、人命捜索と救助を繰り広げるようにしました。特に15階の避難待機区域に「前進指揮所」を設置し、交代で200人ほどの消防救助隊員を配置し、人命救助作業を進めました。


住民も水で濡らしたタオルを口に当て、低い姿勢で非常階段を下りて外に抜け出るなど、迅速な退避をしました。煙のために外に出られなかった高層階の住民たちは、避難待機区域が用意された15階と28階、屋上などの場所に行き、消防隊の救助を待ち、落ち着いて対応したことが分かりました。


今回は犠牲者が出ませんでしたが、タワーマンションでの火災はこれが初めてではありません。10年前の2010年10月にもやはり高層ビルで同じような火災がありました。タワーマンションが立ち並ぶ釜山市海雲台でのことでした。この時は4階部分から始まった火災はわずか30分で最上階の38階まで燃え移りました。


場所が海雲台だったので海風が建物にあたり、それが上昇気流となり火の手のまわりが早かったと言われています。今回の蔚山の火災でも、ちょうど強風注意報が出されており、炎はわずか20分で33階まで燃え移ったと言います。どちらの建物も外壁はアルミニウムパネルでした。


消防の専門家は「アルミニウム複合パネルは、二つのアルミニウム板の間をシリコンなどの化学樹脂で接着し、建物の外壁に付けるもので、アルミニウム自体が熱に強くないうえ、板の間に入った化学樹脂が火でよく燃えることから、火災に脆弱であることが知られている」と説明しています。


また10年前の海雲台の火災も今回の蔚山の火災も、どちらも建築法上「準超高層」の建物だという点も同じです。50階以上は超高層、30~49階は準超高層に分類されます。超高層ビルの場合は建築法上、建物には避難待機区域が設けられていなければなりません。しかし準超高層ビルでは非常階段を確保すれば避難待機区域がなくても違法ではありません。


問題は超高層でなくてもお年寄りや子供が階段で避難するのはたやすいことではありません。煙が垂直で上昇する速度は人が歩く速度のおよそ12倍にもなるからです。今回火災にあった蔚山のマンションの場合、33階建てで準超高層でしたが、幸い15階と28階に避難待機区域が設置されていました。一部の住民はここに避難して救助を待ち、消防隊員たちもここから交代で火災の鎮火にあたりました。


現在釜山には30階以上のビルが555個もあります。このうち、超高層が38個、準超高層が517個です。そのほとんどがマンションです。今回の蔚山の火事に関しては、死亡者や重傷者が出ず、本当に良かった言えます。ただし出火の原因に関しては防犯カメラの届かなかった地点だったようで、まだはっきりしていません。今後のためにもぜひとも、出荷の原因しっかり調べて欲しいものです。

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