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赤ん坊20万で売ります

#マル秘社会面 l 2020-10-21

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

先週、ある中古品取引サイトにこんな書き込みがありました。「子供を養子に出します。36週になりました」というタイトルで布団に包まれた赤ん坊の写真が2枚と共に、販売希望金額20万ウォンとありました。

この書込みがあったのは「タングン・マーケット」というサイトの、済州道西帰浦市の地域カテゴリーです。書き込みをしたのは20代の未婚の母で書き込みをアップした直後に「間違っていた」と認識し、直ちに削除しました。

しかしすでに書き込みを見た人の中から 「信じられないですね。こんなひどい行いは罰せられるべき」「育てられないなら保護施設に預けてもいいのに、本当に人間のやることとは思えない」などという非難が殺到しました。

一部のネットユーザーが「書き込みの掲載者を罰してほしい」と通報、警察が捜査に乗り出しインターネットのIP追跡などで、書き込みをした人物が20代のシングルマザーであることを確認しました。この女性は書き込みをした時、産後ケア施設にいました。

女性は警察の事情聴取で「父親がいない状態で赤ん坊を産んだ」「未婚の母センターで赤ん坊を養子に出す手続きについて相談したが、経済的にも苦しく、夫もいない自分の境遇に腹が立ち、ネットの取引サイトに『販売する』という書き込みをした」と述べました。この女性は13日に赤ん坊を出産していました。警察は女性を児童福祉法違反の疑いで捜査する方針です。

この女性は親からも助けてもらえず、子どもの父親も子どもを養育する状況ではないということです。捜査とは別に警察は赤ん坊と女性への支援策を模索しています。女性は今後、シングルマザーの支援施設に移ることになります。

一方で、今回の事件を契機に一人で子供を育てている「ひとり親」に対する経済的な支援と社会的な偏見の改善を求める声も上がっています。

ひとり親家族支援法によれば収入が月額152万ウォン未満のシングルマザーの場合、子供が18歳になるまで月20万ウォンの支援を受けられます。 

去年、女性家族部が発表した「2018ひとり親家族の実態調査」によれば、ひとり親家庭の税金と社会保険料を除いた月平均所得は219万6千ウォン、これは全家庭の平均389万ウォンの半分ほど、56.5%水準でした

去年5月、「養育費履行確保および支援に関する法律改正案」が国会で可決されました。養育費をもらえずにいる児童が生存権を脅かされる場合、国税を滞納したのと同じだと見なし該当金額を強制で徴収できるという法律です。養育費支給の命令を受けても出さない場合には運転免許の停止、取消ができるという内容も含まれています。しかしそれでも履行までには時間がかかるとして実効性は薄いという指摘もでています。

問題は経済的な問題だけではありません。シングルマザーだということから、家族など周りの助けも得られないなど、社会的な認識などの問題もあり、養育を放棄するケースが多いといいます。

韓国女性政策研究院のパク・ボクスン研究委員は「未婚の母が一人でも子供を産んで育てるんだという確信を得られるようなシステムができていないのが一番の問題です。男性に養育費の支払いを強制する制度が改善されているとはいえ、依然として裁判所の判決に頼っているのが実情です」と語っています。

韓国には韓国戦争直後から、経済的に厳しい状況の中でたくさんの子供たちが海外養子に出されたという暗い歴史があります。結局、そういう事情は世の中が変わり、経済的にはるかに豊かになった今でもあまり変わっていないのでしょうか。実にほろ苦い事件でした。

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