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LG電子がスマートフォンから撤退

#マル秘社会面 l 2021-04-07

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

ニュースでもお伝えしましたが、LG電子がスマートフォン事業から完全に撤退することを発表しました。LG電子は1995年にLG情報通信としてモバイル事業を始め、一時、携帯電話の世界シェアで3位にまで上り詰めましたが、2015年から6年連続で赤字が続き、5兆ウォンに上る累積赤字を乗り切れず、26年間のモバイル事業に終止符を打つことになりました。

かつて「チョコレートフォン」や「プラダフォン」などのヒット商品も出していただけに残念です。そこでこれまでの歩みと今後の展望を見てみたいと思います。

LGが携帯電話のグローバル市場に登場したのは2000年代の初頭でした。特に2004年に発表された折り畳みスタイルの3G対応端末は、それまでの大きくて電池が持たない携帯電話のスタイルを大きく変えたものでした。そして小型化と共にデザインにも力を入れ始めました。

そして登場したのが「チョコレートフォン」と「プラダフォン」でした。2005年に出されたチョコレートフォンはブラックのスライド式のボディに赤いバックライトの組み合わせで、上品で美しいという評価を得ました。韓国国内ばかりでなく、海外でも高い人気を誇りました。また当時としては画期的なホワイトやピンクのモデルも登場します。

次に2007年に発表されたのが「プラダフォン」でした。高級ブランドのプラダとのコラボで発表された製品で、LGイコールおしゃれな携帯メーカーという時代でした。

同じ2007年にアップルからアイフォンが登場します。2008年には Android OS搭載のスマートフォンが出てきたことでモバイル市場は携帯からスマートフォンへと進化していきます。2009年にサムスンが「Galaxy」ブランドを立ち上げ、LGは一歩遅れて2010年にスマートフォンブランド「Optimus」を発表します。「Optimus」シリーズでは2011年に厚さ9.2㎜、当時世界最薄を掲げた「Optimus Black」が発売されました。

技術的にはその後も革張りのボディや、2画面、T字型画面、そして最近ではぐるっと巻き取れるというローラブルの技術まで持っていましたが、結局国内では最後までサムスンのギャラクシーを抜き去ることができませんでした。

しかしLGは今後もその技術力を次世代テレビや家電、ロボットなどにつなげ、研究開発は続けていく方針です。さらに3700人に上るスマートフォン事業部の雇用はそのまま維持され、グループ内の他の部署に移るということです。

消費者としては今後のASが心配なところですが、 LGはホームページで「LG電子は事業終了後も、顧客が製品使用に不便を感じないよう国別基準、法令に従い事後サービス提供、および修理、部品供給に最善を尽くす」と明らかにしています。

しかし一部の外信は海外での今後のASに不安を示しています。インドのメデイアは「部品の在庫が残っている限りソフトウエアのアップデートを続けるとしているが、これは地域によって違ってくるように思われる。同じLGベルベットのユーザーでもヨーロッパで受けられるソフトウエアのアップデートがインドで同時に受けられるかは疑問だ」と伝えています。


LGが去った後のスマートフォン業界はサムスンとアップルの天下が加速するものと思われます。特に北米ではスマートフォン市場のシェアは1位サムスン33.7%、2位アップル30.2%、そして3位LG14.7%でした。このLGのユーザーがたぶんアップルに流れるのではないかというのが業界の予想です。一方、国内でもLGはサムスン、アップルに次ぐ3位でした。国内の場合、LGのユーザーはサムスンに動くと予想されています。


目まぐるしく変化する時代を迎え企業はどこも変身を図ろうとしています。LGは企業風土が「石橋をたたいても渡らない」ような頑固、保守的なところがあります。それが常に変化しているようなスマートフォン市場からの撤退につながったような気がします。

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