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「ペンドギ」ほか

#国楽の世界へ l 2022-06-13

国楽の世界へ

「ペンドギ」ほか

パンソリ、「シムチョンの歌」の主人公は娘のシムチョンですが、ストーリーは、父シムボンサが中心になります。シムボンサは、もともと目が不自由であったわけではなく、二十歳の頃、急に視力を失いました。その時から妻に頼って生活したのですが、妻は娘のシムチョンを生んでから、すぐに亡くなってしまいます。シムボンサは自分の世話をするのも大変な中、赤ちゃんのシムチョンを抱いて、村中を回り、もらい乳をしました。幸いシムチョンは立派に育ち、7歳のときからは父の代わりに物乞いをして、父を養いました。ところが、供養米を捧げると父の目が見えるようになるというお話を聞いて、シムチョンは船乗りに売られ、海のいけにえになります。そのようにして、シムチョンは船に乗って去ってしまい、シムボンサは毎日娘のことを想い泣いてばかりいました。そんなとき、シムボンサを狙っていた、ペンドイネという女性がいます。シムチョンが船乗りに売られた代わりにたくさんのお金ができたというお話を聞いて、シムボンサに近づいたのです。ペンドイネは、お金を無駄遣いして、遊びまわるばかりです。今日の最初は、彼女の行いを歌う曲、「ペンドギ」という曲を、キム・ユルヒさんの歌でお楽しみください。


一方、船乗りに売られたシムチョンは、海のいけにえになりましたが、竜王に助けられて生まれ変わり、皇后になりました。皇后になって豊かな生活をしていても、やはり父のことが心配です。シムチョンは、全国の目が不自由な方々のための宴会を開くことにしました。父の目が見えるようになっていたら幸いですし、まだ目が見えないとしたら宴会来ると思ったからです。シムボンサは宴会のお話を聞いて、ペンドイネと一緒に出掛けました。ところが、シムボンサのお金を使い切ったペンドイネは、宴会に向かう途中で他の男性のところへ行ってしまいます。慣れない場所に一人で残されたシムボンサは、色んな人に助けられました。穀物をつく女性らと出会い、彼女たちを手伝って食べ物を手に入れたこともあります。今度は、そのお話を歌う「バンアタリョン」という曲をアカペラで歌う曲です。トリスの歌で、「オユワ、バンアヨ」という曲をお楽しみください。


そのように苦労をした末、シムボンサが宴会に到着すると、シムチョンが駆けつけてきました。シムボンサは、自分の娘は亡くなったはずなのに、皇后が自分のことをお父さんと言うので、戸惑っています。シムチョンは、これまでのことを全て話しました。話を聞いてみると自分の娘のようではありますが、確認できる方法がありません。ところが、シムボンサが自分の目が見えないことを嘆くと、その瞬間シムボンサの目が見えるようになったのです。今日の最後は、チョ・エラさんの歌で、この場面、「万座盲人の目が開ける場面、만좌맹인 눈 뜨는 대목」という曲です。シムチョンとシムボンサが再開してお互いを見た瞬間、全国の目が不自由な方はもちろん、目が見えない動物、鳥も全て目が見えるようになりました。シムチョンは自分の命を犠牲にしようとしましたが、その行いが世の中を明るくしたというお話です。

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