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「七夕」ほか

#国楽の世界へ l 2022-08-01

国楽の世界へ

「七夕」ほか

昔々、機織りの仕事をする織女と、牛の世話をする牽牛が恋に落ちました。恋に落ちると、その他のことには気が回らないもののようです。二人は遊んでばかりいて、全く働かなくなりました。結局、世界には大きな混乱が生じます。怒ってしまった天の神様は、二人を天の川を挟んで引き離すことにしました。年に一度、七夕の日にだけ会うことができます。ところが、天の川には渡ることのできる橋がありませんでした。二人は七夕になっても、遠くから見つめることしかできません。そのとき、カササギの群れが翼と翼を広げ、かけ橋を作ってくれたのです。それが、カササギの橋です。ようやく出会った二人は、喜びのあまり涙を流し、また、別れるときになると悲しんで泣きました。そのため、七夕の日になると二人の涙が雨になって降るとのことです。今日の最初は、コッピョルのヘグムの演奏で、「칠석、七夕」という曲です。


二人のお話は、牽牛のわし座と織女のこと座が、年に一度七夕の頃に重なって見える現象からも由来します。夏の夜、空の星座から様々なラブストーリーができたのです。他にもどんなラブストーリーがあっただろうかと気になります。今度は、「風は」という曲です。愛する人が訪ねてくることになっている日、よりによってたくさんの雨が降り、地面が揺れるように風が吹きます。どんなに愛する人だとしても、こんな日には会いに来れないだろうと思いつつも、それでも来てくれるとしたら、天が定めた縁であると思いました。牽牛と織女であれば、荒れた天気だとしても出会っていたかもしれません。この歌に登場する二人は、その日、会うことができたでしょうか。それでは、ハ・ユンジュさんの歌で、「바람은、風は」という曲です。


昔は七夕になると、小麦粉を溶いて鉄板の上で焼いて食べる料理「ミルジョンビョン」やうどんに似た「グクス」などを食べました。雨が降る日に似合う料理です。また、「ゴルキョ」という風習もあります。七夕の早朝、ウリやキュウリのようなものを用意して、自分の裁縫の腕がよくなることを織女に祈るのです。庭にある甕の置台に水を汲んで置き、その上にお盆を置いて祈ることもありました。七夕の日の夜、お盆にクモの巣が張ってあったり、次の日の朝何か痕跡があると、織女が願い事を聞いてくれたものと信じたそうです。昔の女性にとっては最も重要な仕事のひとつが、機織りや裁縫であったからでしょう。今日の最後は、アン・ヒャンヨンさん他の歌で、南道(ナンド)の民謡、「물레타령、糸車のタリョン」という曲です。夜遅くまで糸車で作業をすると、退屈で眠くなることもあったでしょう。女性らは、家族が新しい服を着て温かく過ごすことを考えながら、眠気を覚ますために歌を歌ったものです。

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