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「サルム」ほか

#国楽の世界へ l 2022-08-08

国楽の世界へ

「サルム」ほか

夏になると、セミの鳴き声で眠れないという方もいらっしゃるでしょう。日本では「ツクツクボウシ」と呼ばれる「スルムメミ」という名のセミは、鳴き声からこの名前が付けられたそうです。セミが朝晩鳴くのは、おすのセミが、めすのセミに自分の居場所を知らせるためです。セミの幼虫は土の中で何年も過ごし、ようやくセミになっても、わずか2週間から3週間しか生きられません。その間、早く卵を産まなければならないのです。だから、時間に余裕がないということです。昔の人々は、そのセミの気持ちが分かっていたようです。西道(ソド)の民謡、「サルム」という曲は、「スルムメミ」をテーマにした歌です。チュ・ダヘさんの歌で、「サルム」という曲をお楽しみください。


来週の月曜日は、真夏の一番暑い時期の三伏の暑さが終わるという末伏です。この日になると、昔の人々も仕事を休んで遊びました。親しい人と釣りを楽しみ、食べ物が豊富ではなかった時代、お魚を獲って御馳走を作って食べたものです。今度ご紹介する曲では、雨が降りそうな曇りの日、釣りをする男性のお話が出てきます。しばらくお魚を獲っていると、ある男の子が通り過ぎます。男性は、早くお魚の料理が食べたいので、男の子を呼び止め、お魚を自分の家に届けて欲しいといいます。御馳走を作っておくよう伝えて欲しいと、頼んでいるのです。すると、男の子は、自分も忙しいので、できるかどうか分からないと答えます。自分にもお魚を分けてくれたら考えてみる、という意味ではなかったでしょうか。それでは、イ・ヒムンさんの歌とプレリュードの演奏で、「육칠월 흐린날、六七月の曇りの日」という曲をお楽しみください。


韓国では夏に、豆乳のそうめん「コングクス」という料理を食べます。この料理は、豆を水に浸して茹でた後、ミキサーで砕きスープを作ります。ひとつひとつの過程が手間がかかります。最後に、スープに茹でた麺を入れると、味も良く、体にも良い料理の出来上がりです。言葉で説明すると簡単なようですが、昔はミキサーもなかったですし、簡単な料理ではありませんでした。ミキサーの代わりに岩で作った臼を使いましたが、昔は大家族が多かったので、どんなに長い時間臼で作業をしたことか分かりません。今日の最後は、済州(ゼチュ)島で臼を回す歌です。コ・ソンウクさん他の歌で、済州島の民謡、「고래 고는 소리、臼を回す音」という曲です。済州島では臼を「コレ」といいます。この歌には、実際に臼を回すときの音も録音されていましたが、気づかれたでしょうか。大変な作業も、歌を歌いながら行うと、楽しかったのではないかと思います。

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