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第681話 恋愛リアリティーショーが全盛だけど???

2022-11-15

玄海灘に立つ虹


韓国で恋愛をテーマにしたバラエティ番組、恋愛リアリティーショーがブームになっています。

複数の番組が多様なメディアを通じてしのぎを削っています。話題性も高く、コメント欄もかなり盛り上がっています。かなり感情移入をしているような内容が少なくありませんでした。


恋愛バラエティの元祖は、2011年から2014年まで、SBSで放送された「チャッ(パートナーの意味の韓国語)」だと言えます。シーズン制で続き、高い人気を博しましたが、女性出演者が自殺した事件で、放送終了となりました。その後、恋愛バラエティが復活したのは2017年、「ハートシグナル」(ケーブル系のチャンネルAで放送)です。こちらもシーズン制で放送され、2020年にシーズン3の放送が終わっていますが、シーズン4の制作が進んでいるということです。他にも、今年放送された番組だけでも、「私はSOLO」(SBSプラス)、「再び、初恋」(MBCエブリーワン)、「秘密男女」(KBSジョイ)、「ドルシングルズ2、3」(MBN)、「結婚に真剣」(JTBC)などがあります。またOTTのオリジナル番組でも、「ソロ地獄1、2」(ネットフリックス)、「乗り換え恋愛2」(ティービング)、「ピンクライ」(ディズニープラス)などがあり、ウェブサービスのカカオTVでも、「チェンジデイズ」が放送されており、それこそ枚挙にいとまがないくらいです。初めて会った男女が繰り広げていく恋愛サバイバルが一般的ですが、別れる直前にいるカップルが相手を交換して自分とも向き合っていくスタイルまで、実にさまざまな番組を観ることができます。


これだけ多くの恋愛バラエティが話題になり人気を博しているのは、現在の韓国社会の状況と無関係ではないだろうと分析されています。非恋愛、非婚を主張する若者が増えているいまの社会の趨勢とつながっているというのです。「モクバン」が流行した当時、一人暮らしをする若者が増えている中で、他人との関係を結ぶことに疲れた若者たちが、「モクバン」を通じて満足感を得るのだという分析もありましたし、経済的な理由からきちんとした食事ができない世代を投影しているとの分析も出ました。恋愛バラエティーも同じで、恋愛や結婚は、今の自分にはぜいたくなことだという認識が、若い世代の間に広まっているというのです。統計庁の2020年の調査で、15~39歳の男女1万101人を対象に、結婚と出産について尋ねたところ、男女ともに、半数以上が消極的な回答をしたということです。統計庁の季刊誌に去年掲載された内容によると、30~44歳の男女のうち、「必ず結婚すべきだ」と答えた男性は13.9%、女性は3.7%に過ぎなかったといいます。


専門家らは、恋愛や結婚に伴う経済的負担や、特に女性に大きな負担となる育児、そしてそれによる経歴の断絶などの問題が解決されないことには、結婚を選択する若い世代はどんどん減っていくのではないかと分析しています。また、韓国保健社会研究院の研究でも、ある程度の所得水準に達している場合、公務員や公共機関に勤める場合、また正社員として勤めている場合など、安定した経済的基盤が整備されているほど、異性とも活発に交際しているという結果が出ています。実際、恋愛バラエティを観る理由について、現実では恋愛や結婚は難しいものの、メディアを通じた他の誰かによる恋愛は、何も責任を負う必要がないから、という意見もあります。


ただ、こうした番組が多様になっているのはいいとしても、だんだん内容がエスカレートし、刺激的、扇情的になっているコンテンツが増えていることで、恋愛や結婚に対する否定的な認識が大きくなりかねないという懸念もあります。また、その名のとおり、リアリティであることから、複雑に入り組んだ状況や関係などもそのまま出てくるので、そうした状況に自分は置かれることはない、「自分が恋愛や結婚をしないのは褒められる選択だ」と考えるようになるというのです。

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