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映画『犯罪都市3』

#成川彩の優雅なソウル生活 l 2023-06-01

玄海灘に立つ虹


〇本日ご紹介する映画は、イ・サンヨン監督の『犯罪都市3』です。韓国では5月31日公開なんですが、私は一足先に有料試写会で見まして、観客の反応はかなりいい感じでした。『1』、『2』共にヒットしてますが、特に昨年公開された『2』は1200万人を超える観客を動員し、コロナ以降の最大ヒット作となりました。いずれもマ・ドンソク主演で、今回の『3』は青木崇高、國村隼も出演し、日本でもそれなりに注目されるかと思います。とにかくマ・ドンソクの映画という感じですが、マ・ドンソク演じるマ・ソクト刑事がめちゃくちゃ強い。どんな相手でも倒してくれる、このカタルシスが人気の理由だと思います。そしてマ・ドンソクは主演だけでなく、企画、プロデューサーも自ら務めていて、自分の持ち味をよく分かってるんですね。監督は『1』がカン・ユンソン監督、『2』と『3』は同じイ・サンヨン監督です。


〇マ・ソクト刑事のモデルになった実在の人物がいるだけでなく、シリーズそれぞれ実際の事件がモチーフになっているんですが、『3』は、日本のヤクザが関わった2018年の麻薬事件がモチーフになっているようです。当時の新聞記事も見てみたんですが、押収した覚せい剤は90キロ、約300億円相当で、歴代最大規模の麻薬密輸事件だったそうです。それにしても、麻薬事件は後を絶たず、韓国映画ファンとしてもとっても残念ですが、最近では俳優のユ・アインが麻薬使用の容疑で捜査中というのが報じられています。

ちなみにマ・ソクト刑事のモデルになった刑事は、マ・ドンソクと長年の付き合いで、兄弟のように親しい間柄なんだそうです。キャラクターを作り上げる上でモデルがいるというのは、大きいですよね。

『3』では麻薬犯の中心にいるのが青木崇高演じるリキです。日本のヤクザというと、やっぱり韓国では「日本刀」のイメージが強いのか、リキの刀さばきが見どころの一つなんですけど、『るろうに剣心』などでも演じてきただけあって、さすがでした。インタビュー記事を読んだんですが、日本刀の使い方が日本映画と韓国映画で違って、日本では静かに抑制をきかせた使い方をするのに対して、韓国ではダイナミックなアクションとして使う、と。確かにそうだなと思いました。

國村隼は出演場面は多くはないですが、ヤクザのボス役で、存在感を放ってました。國村隼といえば、ナ・ホンジン監督の『哭声/コクソン』の名演で韓国でも人気なんですよね。

そして今回、マ刑事の最大の敵となるのは、イ・ジュニョク演じる刑事で、これまでよく演じてきたスマートなエリートのイメージとはまったく違う悪役で、これもなかなか見ごたえありました。


〇ここのところ、韓国映画はなかなか観客数が伸びず、『犯罪都市3』へ寄せられる期待は大きいんですが、アクションはやっぱり劇場で見る方が迫力があるのと、笑える場面もたくさんあって、私の予想ではまあまあ入るんじゃないかなと思います。公開が31日なのに、27~29日の連休中に有料試写会をかなりの規模でやったみたいで、29日の時点ですでに観客数48万人という異例の状況となっています。映画のラストでは『4』に続く予告のようなシーンもあって、すでに『4』も撮り終わっているということですが、まだまだその先もシリーズが続く見込みだそうです。


〇せっかくなので、この機会にシリーズ『1』『2』も振り返りたいんですが、やっぱり私は『1』のインパクトが強くて、ユン・ゲサン演じるチャン・チェンの悪役っぷりがすごかったですよね。『2』は昨年大ブレークしたソン・ソックが悪役を務めましたが、このシリーズ、マ刑事はお決まりなので、成功のカギは悪役の魅力が握っていると思います。そして『1』がチャン・チェンはじめ朝鮮族の犯罪、『2』は舞台がベトナム、『3』は日本のヤクザが絡むという、毎回それなりに国際的な展開があってスケール感があるのも、特徴となっています。『1』『2』に続いて日本でも公開されるそうですので、ぜひ劇場で楽しんでほしいなと思います。


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