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経済

米国でのバイデン政権誕生がもたらす通商環境の変化や今後求められる対応

#今週の経済の焦点 l 2021-01-25

ⓒ YONHAP News

ジョー・バイデン氏が現地時間の20日、第46代アメリカ大統領に就任しました。バイデン氏の通商政策は4つにまとめることができます。まず、一つ目は、多国間主義と国際ルールの遵守で、2つ目は貿易協定での労働・環境基準の厳格化、3つ目はアメリカを中心としたグローバルバリューチェーンの強化、そして最後は中国に対する強硬路線の持続です。

バイデン氏の通商政策が韓国経済に与える影響のうち最も注目すべきは、東アジアのグローバルバリューチェーンに生じる変化です。グローバルバリューチェーンとは、企業が生産工程の最適化をはかるために、複数国にまたがって生産財やサービスの供給・調達を行うことで、東アジア、なかでも韓日中の間で電子産業を中心としたグローバルバリューチェーンが発達しています。バイデン政権が技術覇権を手に入れるため、中国で生産された電気・電子製品のアメリカ向け輸出を難しくする政策を取った場合、東アジアのグローバルバリューチェーンにおける中国の役割は今後縮小していくことが予想されています。そうなれば、中国への輸出依存度が高い韓国の主力産業である電気・電子、化学、自動車部品の輸出はマイナスの影響を受けるおそれがあります。

CPTPP=環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定も、東アジアのグローバルバリューチェーンに影響を与える要因としてあげられています。CPTPPは、日本のほか、ベトナム、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど11か国が加盟している貿易協定で、大半の関税撤廃を柱としており、CPTPP加盟国の間で新たなグローバルバリューチェーンが生まれる可能性があります。韓国がCPTPPに参加した場合、新しいグローバルバリューチェーンに加わることになり、これまでの過度な中国依存から抜け出し、輸出市場の多角化をはかることができると考えます。

韓国のCPTPP参加をめぐっては、市場開放による打撃を心配する声がありますが、CPTPPが求める市場自由化のレベルは、韓国がこれまで各国と結んできた自由貿易協定と同じレベルのもので、経済・産業への影響は大きくないとKDIはみています。それでも、一方的に被害を被る産業がないように配慮するための政策は必要です。

積極的かつ先手を打つ対応により、グローバルバリューチェーンの再編をチャンスとして生かすことが課題となっています。

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