ⓒ Real Packing

きょうご紹介した企業は、ソウル市九老（クロ）区にある中小企業「インベット」です。この会社では、ネットで販売した商品を、購入者に届けるために梱包し、出荷する様子を映像に収め、提供する、物流倉庫向け映像監視サービスを行っています。

「インベット」は2008年に設立され、Eコマース企業にITソリューションなどを提供してきました。2016年からは物流倉庫向け映像監視サービス「リアルパッキング（Real Packing）」を提供しています。ネット通販は、いつ、どこでも便利に買い物ができるという利点がありますが、実際に受け取るまで、製品を確認できないという大きな欠点があります。注文したものとは違うものが届いたり、配送中に壊れたりすることもあります。こうしたトラブルは、消費者と販売者、両方にとって厄介なものです。とりわけ販売者は、異常のない製品を発送したのにそれを証明できず、再発送を余儀なくされ、経済的損失を被ることがあります。

「インベット」の「リアルパッキング」は商品を梱包する様子を注文ごとに映像に収めるシステムで、物流センターの管理プログラムと連動し、自動的に撮影が行われます。撮影された映像は、5秒以内に購入者に送信されます。購入者は自分が注文したものがきちんと梱包され・出荷されたかどうかを確認することができ、販売者は出荷の過程に問題がなかったことを証明できます。

ⓒ Real Packing

ほとんどの物流センターでは、監視カメラを使って製品出荷の過程を映像に収めています。しかし、監視カメラは、映像を継続的に撮影する仕組みなので、特定の注文に対応した梱包・出荷の様子を収めた映像を探し出すことは困難です。探し出してそれを購入者に送っても、それが本当にその注文に対応したものかどうか判断が難しいため、購入者が納得しない場合がほとんどです。納得したとしても、苦情処理まで少なくとも3時間以上かかります。これに対し、「リアルパッキング」を利用すると、わずか30秒ほどで処理することができます。「リアルパッキング」の映像を提供するだけで、出荷に関連した苦情そのものが85％以上減る効果があります。また、「リアルパッキング」は、利用する企業のコスト負担を下げるため、映像に広告を載せられる機能を搭載し、企業がそこから収益を得られるようにしています。

「インベット」は、韓国の通販サイトから商品を購入したアメリカ、日本、シンガポール、インドネシア、タイの消費者にも梱包・出荷の様子が移った映像を送信するサービスをことし2月に開始し、海外配送で発生し得る厄介なトラブルを予防しています。

安心してネットショッピングを楽しめる。そんな未来を描く「インベット」は、韓国を代表する物流サービス企業へと成長を続けています。