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経済

7月の外貨準備高が過去最高を更新

#今週の経済の焦点 l 2021-08-09

ⓒ Getty Images Bank

韓国銀行が4日発表した7月末の外貨準備高は4586億8000万ドルで、過去最高を更新しました。韓国の外貨準備高は、4月末と5月末に2か月連続で過去最高を更新しましたが、6月末に減少に転じていました。韓国銀行は増加の要因について、各金融機関の預金が増えたことに加え、外貨資産の運用益が増えたためと説明しています。

韓国の外貨準備高は6月末現在、世界で8番目の規模となっています。中国が3兆2000億ドルでもっとも多く、日本とスイスがそのあとに続いています。

保有している外貨準備高が多いと、韓国が外貨建ての債務の返済をしなければなければならないときに対応しやすいため、韓国のマクロ経済の健全性は高いということになります。外貨準備高は、一国の通貨当局が、公的な対外支払いに備えたり、為替相場の安定を図る目的で外国為替市場に介入するために保有している準備資産で、その国の経済の安全弁の役割をします。

では、外貨準備高は、多ければ多いほど良いのでしょうか。外貨準備高は、「安全性」、つまり運用した結果、元本が減らないことと、「流動性」、必要になったときに現金に換えやすいことを優先して運用されます。そのため、利回りは当然低くなります。外貨準備高を増やすことは、より高い収益を得られるチャンスを失うことでもあるのです。そのため、過剰な外貨準備高を保有するのは望ましくないとされています。

アメリカFRB=連邦準備制度理事会は、これまで景気てこ入れを目的に行ってきた量的緩和を縮小すること、つまりテーパリングについて、FOMC=連邦公開市場委員会で議論したと明らかにしました。テーパリングが始まると、韓国に入ってきていた海外の投資資金が市場から引き揚げ、ウォン相場が急落するなど金融市場の不安が発生するおそれがあります。そのため、外貨準備高を多めに維持するのは、悪い選択ではないと考えられますが、同時に、韓国の外国為替市場や金融市場全体の基礎体力を強化することも必要です。

外貨準備高が適正規模なのかに対する普遍的基準はないだけに、政府の的確な判断が求められています。

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