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経済

初の純国産ロケット「ヌリ号」の打ち上げが持つ意味や課題

#今週の経済の焦点 l 2021-10-25

ⓒ YONHAP News

韓国は10月21日、韓国南部全羅南道(チョンラナムド)の高興(コフン)郡にある羅老(ナロ)宇宙センターから、初の純国産ロケット「ヌリ号」で模擬人工衛星を打ち上げましが、ダミー衛星の軌道投入には失敗しました。

ヌリ号は、韓国航空宇宙研究院と韓国企業が開発した液体燃料を使う3段式ロケットです。全長47.2メートル、重量は200トンで、1.5トンの衛星を地球の低軌道に乗せるために開発されました。2010年に開発が始まり、1兆9500億ウォン、日本円でおよそ1900億円が投じられました。高興の宇宙センターから打ち上げられたヌリ号は、目標高度の700キロに到達したものの、ロケットに搭載されていたダミー衛星を軌道に投入することには失敗しました。3段目エンジンの燃焼時間が短く、衛星が想定した速度に達しなかったため目標の軌道に投入することができませんでした。しかし、1段目と2段目のロケットの切り離しや、フェアリングと呼ばれる衛星カバーの分離まで順調に進み、最後のダミー衛星の分離もスムーズに行われており、運用の面ではほぼ成功したと言うことができます。

ヌリ号の打ち上げには、国内企業300社が関わっています。ヌリ号の開発と打ち上げをきっかけに韓国企業が宇宙開発能力を向上させ、韓国でも「ニュー・スペース(New Space)」と呼ばれる、民間企業による宇宙ビジネスのイノベーションが活発化することが期待されています。

ヌリ号は、来年5月の2度目の打ち上げで発射性能を検証するほか2027年までにさらに4回の打ち上げを行い、信頼性を高める予定です。ヌリ号は、人工衛星の打ち上げ、さらには月探査船の打ち上げなど、今後、韓国の宇宙開発を担うことになります。

韓国はテクノロジー大国とみられていますが、宇宙探査では他国に後れを取っています。中学・高校・大学での基礎科学の教育を充実化させるとともに、予算調達の法的根拠や、宇宙ゴミの問題などについての法制度を整備することが課題となっています。

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