メニューへ 本文へ
Go Top

文化

「イオドサナ」ほか

#国楽の世界へ l 2020-08-26

国楽の世界へ


済州(ゼチュ)島は、風と石と女性が多いということで、三つが多い島、三多島といわれます。島なので男性が海で命を失うことも多かったはずです。だから女性が多かったのかもしれません。でも、これは必ずしも済州島でなくても、海の近くであれば同じであったと思います。済州島に特別女性が多いといわれた理由は何でしょうか。女性の外出に制限があった時代、比較的自由に出歩き、経済活動をする女性が多かったという意味なのかもしれません。済州島の海女は、アワビやナマコなどをとって生活し、子供たちの教育もさせました。誰にも従属しないというプライドがあったため、海女の独特な文化は今でも続いているのです。また、ユネスコ人類無形文化遺産にも登録されています。韓国でよく知られている済州島の民謡、「イオドサナ」は、海女が舟に乗って海に出るとき、櫓をこぎながら歌ったものです。生と死の境界ともいわれた海で頼もしく歌ったのが今でも多様な形で変化し、私たちに感動を与えます。今日は、ソルムの歌で、「イオドサナ」という曲をお楽しみください。


男女の役割を区別していた時代、仕事にも男性の仕事と女性の仕事の区分がありました。遊ぶ時も、男性は男性同士で、女性は女性同士で遊んだものです。全羅南道(チョンラナムド)地方で女性が集まって遊ぶ時歌ったものに、「ドゥンダンエタリョン」という曲があります。ひさごで作った楽器を叩きながら歌うものです。「ムルチャング」は、容器に水を入れてその上にひさごをかぶせたもので、ひさごを手でたたくと太鼓のような音がします。手の代わりに木の枝などで叩くと鋭い音がします。「ファルバング」は、容器の中に入れたひさごを、弓のようなもので弾いて音を出します。女性らが仕事の合間に休むとき、簡単な楽器を作って歌い楽しむのです。「ドゥンダンエタリョン」は、「ムルチャング」や「ファルバング」の音を真似て歌うということで付けられた名前です。一人が歌うと、繰り返しの部分はみんなで歌います。姑との関係で大変なことや、遊びに出かけたい気持ちなどを遠回しの表現で歌います。そのように歌うと、気が晴れて、また仕事に戻る心の余裕もできるのです。それでは、全羅南道へナムの「ドゥンダンエタリョン」という曲を、パク・ゲシンさん他みなさんの歌でお楽しみください。


今度は、仁川(インチョン)に伝わる、「ナナニタリョン」という曲です。この曲もやはり、女性の歌です。海辺の女性は農村より辛い生活をしたものです。家事や畑仕事はもちろん、水際に出てカキや貝などをとって家計を助けました。海に出た夫が、今日は無事に帰ってこれるだろうかと心配することも、大変なことのひとつです。なので、一度遊ぶとなると、より興が沸いたはずです。「ナナニタリョン」もそんな歌です。今日の最後は、チャ・ヨンニョさん他みなさんの歌で、仁川の海辺に伝わる「ナナニタリョン」という曲をお楽しみください。 「ナナニタリョン」も「ドゥンダンエタリョン」と同じように、繰り返しの部分で興が沸きます。愛のお話や別れ話、そして姑とのもめごとや生活の中で辛いことなど、海辺に住む女性の暮らしをユーモアに歌っているんです。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >