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文化

李承雨(イ・スンウ)の短編小説「本と共に眠る」

2020-12-08

ⓒ Getty Images Bank

小説「本と共に眠る」は、30代半ばを過ぎた主人公が

「本と共に眠っている」ような姿勢で死んだ

ある人物に関する新聞記事を読む場面で始まります。 



まるで塔を積み上げたように、

床から天井まで本が積み重なっていた。

その男は本を積み上げたいくつもの塔に挟まれた狭い空間で、

両膝を腕に抱えて丸くなった姿勢で倒れていた。

その姿は胎児を想わせた。


新聞には身元不明の男と書かれていた。

自分の身元を明かす手がかりは何も残していないという。


마치 탑을 쌓아올린 것처럼

바닥에서 천장까지 책들이 포개져 있었다.

문제의 남자는 책으로 쌓아올린 그 여러 개의 탑들 사이

비좁은 공간에 다리를 가슴까지 바싹 끌어당기고

웅크린 자세로 누워있었다.

그 모습은 언뜻 모체 밖으로 나오기 전의

태아를 연상하게 했다.


신문에는 신원을 알 수 없는 남자라는 표현이 나왔다.

자신의 신분에 대한 어떤 단서도 남기지 않았다는 것이다.



主人公と彼はどのようにして知り合ったのでしょうか。

その男はなぜ「本と共に眠る」ように死亡したのでしょうか。



私は男の遺体をじっと見つめた。

写真の中の本は、彼の墓にいっしょに葬られた副葬品のように見えた。

彼には、本より似合う副葬品はないと思った。

自分の人生に最も似合う彼の姿は感動的ですらあった。


彼を身元不明者のまま放っておくわけにはいかなかった。

彼について話さなければならないと決め、

迷わず警察署に電話をかけた。


나는 그 사람의 시신을 오래 들여다보았다.

그러자 사진 속의 책들이 그와 함께 무덤에 매장된 부장품처럼 보였다. 

나는 그 사람에게 책보다 더 잘 어울리는 부장품은 없을 거라는 생각을 했다.

자신의 삶과 가장 어울리는 그의 죽음의 모습은

감동스럽기까지 했다.


왜 그런지 그를 신원불명자로 내버려두는 건

옳은 일은 아닌 것 같았다.

나는 그 사람에 대해 진술해야 한다는 의무감에 사로잡혔고,

별로 망설이지 않고 이내 경찰서에 전화를 걸었다.



#インタビュー:文芸評論家 チョン・ソヨンさん

ハン・ジョンテという人物は本に似ています。周りからは退屈で、時代遅れだと思われているのです。彼は、本社で社内報を制作していたのですが、ある日、地方への転勤を命じられます。転勤というより左遷です。時代の変化に素早く対応する妻と葛藤しながらも、新聞や本の可能性を信じて、消えゆく価値を守ろうとする主人公のような人は、現代社会では時代に取り残されたと見なされてしまうのです。




作家:李承雨(イ・スンウ)(1959. ~ 、全羅南道長興郡生まれ)

デビュー:1981年 文芸誌「韓国文学」の新人賞に小説「エリュシクトンの肖像」が当選

受賞  :1991年 第15回李箱文学賞受賞など

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