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文化

「六七月の曇りの日」ほか

#国楽の世界へ l 2021-09-01

国楽の世界へ

「六七月の曇りの日」ほか

昔の農村というと、低い山のふもとに村があり、田んぼが広がっている風景が浮かびます。雨が降るとかごや網をそろえて水辺に行き、お魚を獲りました。夏の暑い日、雨が降ると水の温度が下がります。水の中の酸素の量が増えるため、お魚の活動が多くなります。その時を狙って、お魚を獲るのです。韓国の歌の中に、「六七月の曇りの日」という曲があります。梅雨の真っ最中の夏のある日、お魚の群れが見えますが、獲りたいものの道具がありません。ちょうど向こうに男の子が牛を連れて歩いている姿が見えたので呼び止めました。男の子がかごを貸してくれたらお魚を獲るから、自分の恋人がいる家に届けて、料理をしておくように伝えて欲しいとのことです。男の子がすんなりと従うはずがありません。自分も忙しいから何とも言えないと答えます。どうやら、お魚を分けてあげないと従ってくれなさそうです。今日は、まず、イ・ヒムンさんの歌とプレリュードの演奏で、「六七月の曇りの日、육칠월 흐린 날」という曲をお楽しみください。


今日はジャズの伴奏に合わせて歌いましたが、もともとはソウルと京畿(キョンギ)地域の歌い手が歌う「フィモリ雑歌」というジャンルの曲です。上流階層ヤンバンや中人が楽しんだ歌を指して、正しい歌という意味の正歌といいます。雑歌はそれとは逆に一般の民の歌ですが、民謡とは違い専門の歌い手の間で伝わるものです。以前、ソウルと京畿地域の雑歌を歌う、「サゲチュク」という芸人の集団がありました。家内工業をしながら歌を歌っていた人々です。ネギや大根を保存する穴倉を作り変えて、ここに集まって歌ったり他の歌い手を招くこともありました。最初は正歌を歌い、その後長い雑歌を歌い、最後に別れる前にはフィモリ雑歌を歌います。長い雑歌に比べてテンポが速いからフィモリ雑歌といいますが、ユーモアな内容が多いのも特徴です。今度は、「フィモリ雑歌のうち、ジムグリガエルのタリョン」という曲です。川に流れてくる下駄に乗っかったジムグリガエルは舟遊びをしているところです。朝鮮時代末期から日本植民地時代にかけての人々の日常を、ジムグリガエルに例えて歌ったものです。結婚をするたびに夫が亡くなる女性などが登場するんです。それでは、イ・チュンヒさんの歌で、「フィモリ雑歌のうち、ジムグリガエルのタリョン、휘모리잡가 맹꽁이타령」という曲をお楽しみください。


民謡は一定の拍子に合わせて歌いますが、フィモリ雑歌は歌詞とリズムによって拍子が変わります。歌詞を速いテンポで歌うので、ゆっくり伸ばして歌う正歌に比べて理解しやすいといいます。今度は、「岩のタリョン」という曲です。お腹が空いてご飯を炊いたけれど、急いだあまりお米をきれいに洗えなかったようです。ご飯に異物が入り混じっているのです。この歌は、ご飯の中にどんな石が入っているのかを、国中の有名な岩の名前を挙げて歌うんです。今日の最後は、パク・サンオクさんの歌で、「岩のタリョン、바위타령」という曲をお楽しみください。このようにしてご飯を食べ、最後におこげにして食べようと釜のふたを開けてみると、釜の中から大きな動物一組が出てきました。大げさにも、岩でできた想像の中の動物、ヘテという動物一組が出てきたのです。

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