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文化

「窓の外に菊を植えて」ほか

#国楽の世界へ l 2021-10-13

国楽の世界へ

「窓の外に菊を植えて」ほか

最近、韓国は菊がきれいに咲いています。菊は、お花そのものよりも香がかぐわしいお花です。菊が好きなことで知られる中国の詩人、陶淵明は、秋の菊に関する詩を作りました。秋の菊が美しい頃、露にぬれたつぼみを採って杯に浮かべるという内容です。それでお酒をいっぱい楽しむということですが、お酒が苦手な方は温かいお湯でも良さそうです。韓国の定型詩、詩調(シジョ)にも似たようなお話があります。窓の外に菊を植え、その下にお酒を醸しておくと、お酒が出来上がる頃に菊が咲き、友が訪れてくるとお月が昇るという内容です。コムンゴを演奏して夜通しで遊んでみよう、という内容も続きます。月の明かりの下で、目ではお花を見て、鼻では菊の香りを楽しみ、耳では音楽を聴き、舌ではお酒を楽しむということです。これこそが風流ではないかと思います。今日の最初は、キム・ヨンウさんの歌で、「窓の外に菊を植えて、창밖에 국화 심고」という曲をお楽しみください。


詩調は普通、テグムやヘグム、タンソのような管楽器の伴奏に合わせて歌います。管楽器と弦楽器をそろえて形式に合わせて歌う歌曲に比べて、庶民的な歌です。楽器がなければ膝拍子でも歌えます。コムンゴの伴奏に合わせて歌うのも趣きがあります。明日は旧暦の9月9日、重陽です。陰陽思想では九は陽の数ですが、陽数が重なるという意味で重陽といいます。昔は、このように奇数が重なる日を重視しました。1月1日はお正月、3月3日は中国へ飛び去ったツバメが戻ってくるという上巳です。5月5日は女性はおしゃれをして男性はシルムという競技を楽しむ端午、7月7日は牽牛と織女が出会う七夕です。そして、9月9日の重陽になると農作物の収穫もほぼ終わり、ツバメはまた中国地方に戻るというので、少しは寂しい気持ちになります。こんな時期、人々は山へ行き、菊のチヂミと菊を浮かべたお酒を交わし、詩を作ったり楽しい遊びもしたそうです。今度は南道(ナンド)の民謡「フンタリョン」という曲ですが、先ほどの詩調がこの曲でも歌われています。同じ詩調なのに、これだけ違う雰囲気を出すことに驚きます。キム・スヨンさんの歌で、「フンタリョン」という曲をお楽しみください。


歌の後半では、全てのものは夢であると歌っています。今年も終わりに近づいているという気がするとき、このような歌詞が心に響きます。今度は、詩唱(シチャン)というジャンルの「關山戎馬(クァンサンユンマ)」という曲を韓国語で解釈して歌う、「チュガンイ」という曲です。もともとの歌に、秋の夜の寂しい気持ちを込めて歌う曲です。それでは、今日の最後は、チェ・ユンヨンさんの歌で、「チュガンイ」という曲をお楽しみください。この歌では、静かな秋の川、冷たい船路、心細い人、寂しい楼閣などを歌います。歌詞そのものが寂しい上、ギターの伴奏に合わせて歌うと、さらに寂しい感じがします。秋の寂しい趣きを感じるのにぴったりの曲です。

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