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文化

「与民楽」ほか

#国楽の世界へ l 2022-03-07

国楽の世界へ

「与民楽」ほか

斎の王様が音楽が好きだというお話を聞いて、孟子が、本当ですかとききました。すると王様は恥ずかし気に答えます。音楽が好きではあるが、きちんとした音楽ではなく、ただ今どきの流行りの音楽が好きだとのことです。すると孟子は、王様が好きな音楽を聴いているとき、民が自分たちは苦しんでいるのに王様は楽しむばかりだと考えるなら、それは王様が民と共に楽しんでいないからだと答えます。また仮に、王様が好きな音楽を聴いているとき、民がうちの王様は健康なようだと考えるとしたら、それは王様が民と共に楽しんでいるからだとのことです。国を治めるとき、王様がどれほど品格のある音楽を楽しむのかは問題になりません。王様が民の暮らしに気を配っているなら、民は自ずと王様に従うということです。このことを、「与民同楽(ヨンミンドンラク)」といいました。朝鮮時代の王様、世宗(セジョン)は、そのような意味を込めて、「与民楽(ヨミンラク)」という音楽を作りました。今日は、まず、国立国楽院正楽団の演奏で、「与民楽」という曲をお楽しみください。


世宗は、民が漢字を理解できず自分の感情を表現できないことを残念に思い、韓国の文字ハングルを作りました。そして、そのハングルを利用して、朝鮮を建国するまでの過程を詩で記録しました。それが、「龍飛御天歌(ヨンビオチョンガ)」です。そして、この「龍飛御天歌」を歌にして作ったのが、先ほどの「与民楽」です。民と共に楽しむために、その方法のひとつとしてハングルを作ったのです。そして、後代の王様もその気持ちを忘れないで欲しいという思いを込めて、詩や音楽を残したのです。太平な時代を願う気持ちは、王様も民も同じだったはずです。今度は、学者ソンビが楽しんだ歌、歌曲(カゴク)というジャンルのうち、「鎭国名山(チングクミョンサン)」という曲です。歌では、まず、ソウルの地理的な環境を歌います。素晴らしい場所に首都を定めたので、毎年豊作になり、国は太平で、民は平安であることを祈願するという歌です。イ・トンキュさんの歌で、「鎭国名山」という曲をお楽しみください。


今度は、太平な時代を祈願する民の歌をご紹介いたします。以前は村ごとに、プンムルペという農楽隊がありました。時には、男性だけで構成される、ナムサダンペという集団が村を訪れることもあります。名節や村のイベントがあるときは、プンムルペなどの集団が家々を回り、祝福の歌を歌いました。暗闇を明かし、汚れたものは清くして、鳳凰のように、月のように、尊く美しく生きていきたいということです。今日の最後は、イ・クァンスさんの歌で、「祝願を祈る言葉、축원덕담」という曲をお楽しみください。韓国では、今週の水曜日、第20代大統領選挙が行われます。韓国もこの歌のように、明るく、清く、尊く、美しい国を作り上げることに、みんなが力を合わせたいものです。

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