メニューへ 本文へ
Go Top

文化

「エングミタリョン」ほか

#国楽の世界へ l 2022-04-25

国楽の世界へ

「エングミタリョン」ほか

朝鮮時代後期、チョ・スサムという名前の学者ソンビは、5歳か6歳の頃、面白いヘグムの演奏を見ました。ヘグムの演奏者ではなく、物乞いをしていた白髪のホームレスの演奏です。彼は演奏を始めるたびに、「ヘグム、お前が演奏をしてくれ」と言い、まるでヘグムが応えるかのように音楽を演奏したといいます。その演奏にはストーリーがありました。お爺さんとお婆さんが豆のお粥を食べすぎてお腹を壊したお話や、リスが味噌などを保存するかめに入るお話、泥棒が逃げ回るお話などです。このようなお話をヘグムで面白く表現したのです。子供の目にはどんなに不思議に見えたでしょうか。ところが、本当に不思議なことは、それから55年ほどが過ぎた頃に起こりました。チョ・スサム先生は、またそのホームレスと出会ったのです。昔と同じ姿で同じ演奏をし、物乞いをしていたのです。歳を計算してみると100歳は超えたはずなので、不思議なことです。このようにヘグムでストーリーを演奏し物乞いをしていたホームレスは、比較的最近までいたといいます。1993年、忠清南道(チュンチョンナムド)ノンサンで録音した、「エングミタリョン」という曲でもその様子が伺えます。今日は、まず、パク・ビョンギさんのヘグムの演奏と歌で、「エングミタリョン」という曲をお楽しみください。


チョ・スサム先生は、当時一般の人々があまり注目しなかった人物、つまり、商人や泥棒、妓生などのお話を、「チュゼキイ」という本で記録しました。先ほどお聴きになったヘグムの演奏者のようなミュージシャンのお話もあります。そんなミュージシャンのうち、今度は、目が不自由なソンボンサという方のお話をご紹介いたします。朝鮮時代、目が不自由な方は占いをしたりお経を唱えて生計を立てました。ソンボンサは、占いには才能がなかったものの、歌が好きでした。誰でも口ずさむ民謡などではなく、品格のある歌曲というジャンルを歌ったそうです。毎日、人気の多い道端に座り、歌を歌いました。彼が歌い始めると大勢の人が集まり、彼の前にはたくさんのお金がたまったそうです。ソンボンサはお金を数え、100個くらいになると未練なく去って行ったと言います。一日分のお酒が飲めるお金だからとのことです。今度は、イ・トンキュさんの歌で、「火を焚かなくても、불 아니」という曲をお楽しみください。


今度は、トンヨン出身のホームレス、トンヨンドンイという子供のお話です。もともと片方の脚が悪かったのですが、妹がいなくなってしまい、朝晩泣いてばかりいた結果目が見えなくなってしまいました。その後両親まで亡くなり、一人ぼっちになったトンヨンドンイは、妹を探すために全国を回りました。物乞いをしながら、他の人が歌わない新しい歌で人々の注目を集めます。彼の歌は、「ドングランテン」という名前で知られました。今日の最後は、パク・ハンジョンさんとみなさんの歌で、「ドングランテン」という曲をお楽しみください。この曲は、丸いお金が地面に落ちたとき「テン」という音がするため、「ドングランテン」と呼ばれるようになったそうです。鳥を人の職業に例えて歌った音楽で、「鳥のタリョン」という曲の元になった音楽です。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >