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文化

「トッケビの踊り」ほか

#国楽の世界へ l 2022-11-28

国楽の世界へ

「トッケビの踊り」ほか

「トッケビ」は韓国に伝わる鬼です。韓国では親しみのある存在です。人が亡くなった後の魂とは、少し違います。だからと言って怪物でもないですし、妖精とも違います。外国の方が理解するには少し難しい存在のように思えます。トッケビをテーマにしたドラマが海外で知られ、トッケビをどう翻訳するかについても意見が分かれます。敢えて翻訳するより、そのままトッケビにしようと言う意見が多いようです。トッケビは、自然物のうち古いもの、人々が長い間使っていたものが、変わったものだといいます。主にほうきや熾掻きのようなものがトッケビになります。火の玉や皿が割れる音などで存在を表します。または、独特な人の姿で現れることもあります。いたずらが好きで、シルムという韓国の伝統的なスポーツが好きなことでも知られます。一人で夜道を歩いていてトッケビに会い、一晩中シルムをしたというお話もあるんです。トッケビとシルムをするときは、左足をかけると勝てるというお話も伝わります。超自然的な力を有するトッケビのために、祭祀を捧げることもありました。船乗りは、トッケビが好きな、そば粉で作ったこんにゃくのような食べ物、メミルムックをばらまいて、豊漁を祈願したものです。火をよく使う鍛冶屋でも、トッケビをもてなしたと言います。今日の最初は、ミュールの演奏で、「도깨비춤、トッケビの踊り」という曲です。


昔の人々は、トッケビを怒らすと災いに遭うと考えました。反面、トッケビにお金を貸すと自分が返したことを忘れ、毎晩お金を返しに訪ねてきて、お金持ちになったというお話もあるんです。また、トッケビがいたところに家を建てるとお金持ちになると言うお話も伝わります。自分がどう行動するかによって、災いになることも、祝福になることもあるということです。そんな存在には、獅子もあります。韓国は獅子が生きる環境ではありませんが、各地域に伝わるタルチュムという踊りには、獅子の仮面をかぶった、サジャタルが登場することが多くあります。遠く西域から伝わったものです。統一新羅時代、チェ・チウォンさんは、獅子のタルチュム、サジャチュムを見て、詩を作りました。獅子は全ての動物の王様だといいますが、韓国の昔の人々は実際見たことがなかったため、竜や鳳凰のように、想像の中の動物と変わらなかったはずです。そんな獅子の神聖な気運を受けて、邪悪な機運を追い払うために踊ったのが、「サジャチュム」なのです。今度は、トン・ソンボンさん他の演奏で、「サジャチュム、獅子の踊り」という曲をお楽しみください。


西洋のお化けが出る映画を見ると、悪霊に取りつかれた悪鬼が人に害を与えることがよくあります。でも、韓国の昔話に出るお化けは悪鬼ではなく、恨みのこもった霊の冤鬼です。あまりにも悔しく死んだので、その恨みを知らせたく人間の前に現れます。人々はその姿にびっくりして、その場で命を落とすこともありました。そのためか、祭祀グッでは、悔しい思いをして亡くなった鬼神をもてなす順番があるんです。今日の最後は、鬼神をもてなす歌を真似て、面白く構成した歌、「パキョン」という曲を、キム・ユリさんの歌でお楽しみください。祭祀の前半ではあらゆる神を招き、よくもてなしてから送り出します。そして、後半では、悔しい思いをして亡くなった鬼神を招いてよくもてなし、送り出す順番があるんです。こうすることで、恨みがこもった霊を慰めたのです。

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