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文化

「鳥のタリョン」ほか

#国楽の世界へ l 2023-03-28

国楽の世界へ

「鳥のタリョン」ほか

韓国は、国土の65%が山です。多くの人が暮らす都市や村の付近に、これだけ山が多い国は珍しいといいます。しかし、わずか60年から70年前までは、韓国の山は半分以上がはげ山でした。日本の植民地の頃の木材収奪の影響もありますし、韓国戦争、そして、燃料として木材の消費が多かったのも理由のひとつです。雨が降ると洪水になり、山崩れまで、絶望的な状況だったといいます。しかし、1960年代からは許可を得ず木を伐採することを厳しく規制し、燃料も木の代わりに石炭を使用するようになりました。そして、山に木を植えはじめ、その時から現在に至るまで、100億以上の木を植えたといいます。その結果、韓国のようにはげ山だったところが緑地に変わったケースは、他の国ではあまり見られない事例だそうです。今日の最初は、鳥のさえずりを聴きながら、森の中を歩くような気がする音楽です。


4月5日、来週の水曜日は、植木日(シンモギル)という、植樹の日です。新羅が三国統一をした日でもあり、朝鮮時代の成宗(ソンジョン)という王様が直接農作の手本を披露する催しを開いた日でもあります。このような理由で、4月5日を植木日に決めたそうです。ところで、成宗は、農作の手本を披露する催しを、なぜこの時期に開催したんでしょうか。二十四節季のうち、清明(チョンミョン、せいめい)のときだからです。清い、明るいと書いて清明は、空が次第に明るくなるという意味です。天気が良く温かいので、万物が清らかに生える時期なのです。清明には、地面に火かき棒を指しておくだけでも、そこから芽が出るというお話もあるほどです。また、一年の中で夜が一番長いという冬至から105日目に当たる、寒食(ハンシク、かんしょく)という日もこの時期です。昔は寒食も旧正月のソルナルやチュソクのような重要な名節だったため、先祖の墓参りをし祭祀を捧げたものです。あらゆるお花が咲き緑が美しい春の日、家族みんなで御馳走を用意して山へ行くと、春の遠足のような感じもしたはずです。今でも寒食の日に墓参りに行く方が少なくありません。


西道(ソド)の歌、「チェジョン」という曲は、寒食の日に、若い女性がご馳走を用意して夫のお墓を訪ねる内容の歌です。きれいな紙を敷いて、用意してきたご馳走をひとつひとつ並べ、お酒を注ぎ、嘆き始めるのです。どうして先に亡くなったのか、どうして自分だけ残して亡くなったのかと嘆きます。独りで残された女性は、子供もいなかったようですが、どのように生きたでしょうか。楽団クァンチルは、この歌に、もうひとつのストーリーを付けて歌いました。楽団クァンチルは、彼女の夫が、漁猟のために海に出て、風浪によって亡くなったというストーリーを付けました。いつ、どこで亡くなったのか知ることができず、死体を見つけることもできなかったため、お墓だけを作ったのだという内容の歌です。

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