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論点

大韓航空がアシアナ買収へ

2020-11-21

ニュース

ⓒYONHAP News

経営難に陥っているアシアナ航空を大韓航空が買収合併することになりました。

アシアナ航空を傘下に置く錦湖アシアナグループの経営難で、債権銀行団は2019年4月にアシアナ航空の売却を決定、2019年11月には建設業を主軸とするHDC現代産業開発が2兆5000億ウォンで買収することで合意しました。アシアナ航空の売却は順調に進むかのように見えましたが、その直後に新型コロナウイルスの流行が拡大して状況は一変しました。

新型コロナウイルスの影響でアシアナ航空の業績はさらに悪化、負債が急増し、HDC現代産業開発は、買収価格の引下げを要求し、結局、交渉は白紙に戻りました。

新型コロナウイルスの影響で世界的に航空業界の経営難が続く中、アシアナ航空は事実上公的資金で延命しています。

アシアナ航空の最大の債権者である政府系金融機関、韓国産業銀行としては、アシアナ航空の売却が進まなければさらに多くの公的資金を投入しなければなりません。

アシアナ航空に、すでに3兆5400億ウォンもの公的資金を投入している韓国産業銀行としては、負担を最小化するためにも早期に売却しなければならないことから、大韓航空への売却に動き出しました。

大韓航空はアシアナ航空株を1兆8千億ウォンで取得し、最大株主となります。

韓国産業銀行が大韓航空を傘下に置く韓進グループ側に8千億ウォン規模を投資し、大韓航空は新株発行を通じた増資で残りの買収資金を確保します。

大韓航空は、重複路線の整理や操縦士教育の一元化などで収益性の改善を目指すとしています。

国際航空運送協会の資料によると、旅客数と輸送距離を掛け合わせて輸送実績を示す「旅客キロ」で、2019年は大韓航空は世界28位、アシアナ航空は42位でした。

両社が統合すれば22位の全日空や33位の日本航空を上回ることになります。

ただ、これで問題がすべて解決したわけではありません。

大韓航空はアシアナ航空ほどではありませんが多額の負債を抱えていて、経営状況や財政状態が必ずしもいいわけではありません。

そうした状況で経営破綻しているアシアナ航空を買収すれば、統合による相乗効果どころか、最悪の場合は共倒れになる恐れもあるとの指摘もあります。

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