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論点

韓米首脳が会談

2021-05-29

ニュース

ⓒYONHAP News

韓国の文在寅大統領とアメリカのバイデン大統領が21日、ワシントンで会談し、韓半島の非核化と平和定着に向けた協力、韓米ミサイル指針の撤廃、経済協力の拡大などで合意しました。

このうち、会談の主要議題となったのは北韓問題でした。

会談後に発表した共同声明には、非核化について、2018年の南北首脳による板門店宣言やシンガポールで米朝首脳が発表した共同声明をベースとした対話が欠かせないと明記されました。

板門店宣言は終戦宣言や経済協力に言及し、米朝共同声明には北韓の安全保証に関する内容が盛り込まれていて、バイデン政権が既存の南北及び米朝間の合意を尊重するとの姿勢を示したものと受け止められています。

バイデン大統領は会談後の記者会見で、「米韓は韓半島の非核化に向けて、現実的な措置を取り、北韓と外交交渉を進めるという考えを共有する」と強調し、文在寅大統領は、段階的な非核化を目指すバイデン政権の「現実的なアプローチ」を歓迎するとしたうえで、「韓米は緊密に連携し、対話と外交を通じて北韓との対話を探っていく」と強調しました。

両首脳は韓米ミサイル指針の撤廃でも合意しました。

韓米ミサイル指針は弾道ミサイルの軍縮・不拡散体制の強化に向けてミサイルの射程を制限する取り決めで、現行のミサイル指針は韓国のミサイルの射程を800キロメートルに制限しています。

両首脳がミサイル指針の撤廃で合意したことから、韓国は中距離以上のミサイル開発が可能になり、宇宙開発や軍事産業の発展につながると期待されています。

会談では、新型コロナウイルスワクチンの生産や供給を促進するための枠組みの創設でも合意しました。

文在寅大統領は、アメリカのワクチン開発能力と韓国の生産能力を連携することで「インド太平洋地域のワクチン供給の促進につながり、韓国の安定的なワクチン確保にも貢献するだろう」と述べました。

文在寅大統領は22日には韓国のサムスングループの製薬会社とアメリカのモデルナ社による委託生産契約の覚書締結にも立ち会いました。

また、バイデン大統領は、韓国軍兵士55万人に接種するためのワクチンを支援することも約束しました。

昨年夏と今年春の韓米合同軍事演習は新型コロナウイルスの影響で規模が縮小されましたが、韓国軍兵士のワクチン接種が完了すれば、今年夏の合同軍事演習は通常通り行われる可能性もあります。

経済分野では、半導体や電気自動車用バッテリーのサプライチェーンについても連携することで合意、両国の経済協力がさらに高い段階に発展することになるだろうと期待されています。

サムスン電子など韓国企業5社は、半導体や電気自動車用バッテリー分野で合わせて394億ドル、およそ4兆3千億円に上るアメリカでの投資計画をすでに発表しています。

文在寅大統領は会談後の記者会見で、「最高の会談だった」と述べ、バイデン大統領は、「会談の結果に非常に満足している」と述べました。

今回の会談は、両国の同盟関係が安全保障分野にとどまらず、さらに広範な分野に拡大する契機になったと評価されています。

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