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ライフスタイル

コロナで変わった韓国人の食生活

#マル秘社会面 l 2021-09-01

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

韓国人の食生活が変わっています。コロナ禍で家庭で食事をする回数が急増していますが、その中身が「ペバンミル」と「HMR」、テイクアウトに様変わりしました。

「ペバンミル」というのは、配達、惣菜店、ミールキットを合わせた新造語です。そして「HMR」というのは ホーム・ミール・リプレイスメント調理済み食品、半調理食品のことです。

中央日報が調査会社のSM C&Cと共に全国の20代から60代までの2535人を対象に行った調査で、日々の食事の半分以上を「ペバンミル」ですますと答えた人が全体の35.1% で、これは主に家で作った食事を食べていると答えた35.8%とほぼ同じ数字でした。

そしてこのような変化を主導しているのが2030代でした。この世代では食事の際に主に「ペバンミル」を食べると答えた人が41-45%で、家で作って食べると答えた人の2倍近くになっていました。

30代のワーキングママは「在宅勤務が始まったばかりの去年は、夫も、子供も家族みんなが家にいるので、夫婦が交代で三食を作っていました。しかし今年になってからは、ほとんど毎日、テイクアウトかデリバリーの食べ物で過ごし、家で料理をするのは週末の一食か、二食くらいです」と話しています。

そして食事の中身としてはデリバリーやテイクアウトしたものを、そのまま包装を解くだけで食べると言う答えが多く、具体的にはパン類、餅類などの加工食品が一番人気を集めていました。次が電子レンジで温めるだけの調理済食品でした。

またこのような環境の変化は加工食品、調理済食品に対する認識も変えてしまいました。「加工食品、インスタント食品は栄養不足で、そんなものを食べさせるのは家族への愛情が足りない」などという認識は大きく減りました。全体の55.6%の人が「ペバンミル」に対する拒否感が減り、摂取量が増えていると答えています。最初から拒否感が無かったと言う人まで含めると、全体の72%が加工食品への否定的認識が無いということです

このような背景には調理済食品、半調理食品の選択の幅が広がったことも、消費者の認識を変える大きな役割を果たしたと言えます。スーパーに行けば冷凍食品はもちろん、冷蔵、常温の調理済食品、半調理食品があふれており、そのメニューの幅は韓国料理からイタリア料理、日本料理まで様々です。

そして価格的にも家で最初から調理をするよりも、そのような加工食品、半加工食品で済ませるほうが経済的なこともあります。特に材料費の他に、料理にかかる労働時間を考慮すると家庭料理が外食よりもむしろ高くつくことも多くなっています。

また家庭料理はお母さんの仕事という認識も薄れており、30代の主婦は夫婦で在宅勤務を続けているが、料理は、料理が趣味の夫が行い、自分は掃除や洗濯を担当していると話しています。

そしてこれは2030代だけでの話ではなく、60代の主婦は「先日老後の話をしていた時に、老人ホームも部屋に調理施設の付いているところがいいと夫が言うので、思わず、死ぬまで私にご飯の支度をさせるつもりなのと、怒った」と話しています。

もともと起きていた食生活の変化が、コロナ禍によりさらに大きく動いたと言えそうです。

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