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ライフスタイル

都市での緑の楽しみ方―ソウル植物園

#ソウル・暮らしのおと l 2023-06-02

金曜ステーション

ⓒ KBS WORLD Radio6月になり、樹々の緑が日に日に濃くなってきました。とはいえ、都市に暮らしているとなかなか自然を満喫することができません。私が住んでいるのは京畿道の郊外のほうですが、マンション団地の密集地なので、緑地は限られています。仕事でソウルに行くとやはりビル街なので、ちょっと息苦しいなあ、なんて感じたりします。


そこで、手軽にリフレッシュするために、ソウル江西区にある「ソウル植物園(ボタニカルパーク)」に行ってきました。ソウルの西端、金浦空港からも非常に近いところにあるこの植物園は、敷地の全面積は約50ヘクタールで、東京ディズニーランドとほぼ同じくらいの広さです。温室を含めた植物庭園と湖、湿地帯、緑地広場の4つのエリアで成り立っています。

連休中に訪れたのですが、家族連れや友達同士、カップルなどでテーマパークのように賑わっていて、こんなに植物園を楽しむ人たちが多いんだな、とちょっとびっくり。


見ごたえがあったのは温室です。まるい巨大な円盤型の大温室は、熱帯館と地中海館のふたつのエリアに分かれていて、それぞれ違った気候で育つ植物を観察することができます。熱帯館では、色鮮やかで肉厚な葉っぱが折り重なり、ふつふつと湧き出るような植物のエネルギーを感じました。それに対して、地中海の木々はパウダーがかかったようにワントーン押さえたやわらかな色合いで、穏やかな雰囲気に包まれていました。オリーブの木の下でワインを楽しめるコーナーもあり、ちょっとした海外旅行気分を味わえたりもしました。


ⓒ KBS WORLD Radio温室の外の庭園は、主に韓国で育つ植物が植えられています。とくに「森の庭園」というコーナーでは、絶滅危惧2類となっている植物11種類を保存し、この5月末から一般公開しているそうです。このほかにも、韓半島固有の草や花に出会うのことができるのが、この庭園の魅力です。


施設内にある植物文化センターには、植物の専門図書館や「種の図書館」などもあって、自由に資料を閲覧できます。「種の図書館」では、実際に種を借りて栽培し、収穫した種をまた図書館に返す、というユニークなプログラムがあります。収穫して返却するのは義務ではなく、ほかの種類の種を寄贈するのも可能です。また、植物を育てるのにあたって、わからないことがあれば気軽に相談できるガーデニング相談所や、生活で活用できるモデルガーデンの展示もあり、施設がとても充実していました。

いろんな植物を見て楽しむだけでなく、身近な暮らしでどんなふうに植物とともにするか、というヒントを教えてくれるような施設でした。


ⓒ KBS WORLD Radioここ数年、韓国では観葉植物を「伴侶」として育てる人がとても増えています。同時に、うまく育てられず病気になったり枯れてしまう植物を診察、治療してくれる「植物病院」も多くでき、利用する人も増えています。今回、植物園の訪問客の多さをみても、それだけ都会暮らしのなかで、もっと植物に触れたい、緑に囲まれたい、という要求が多いのかもしれないなと思いました。

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