高麗時代の歴史が記された「高麗史」という本に、王宮で祭祀を行うときには必ず3つのナムルを供えるようにするという記録が残っている。それほど長い歴史を持つ料理だといえる。ナムルは肉食を禁じている仏教の影響で発達した。生の野菜がとれない季節に備えて、晩秋頃には野菜を干しておき、それを多様な方法で調理して、年中食べられるようにしていた。 祭祀のときに3つのナムルを供えるのは、あらゆる野菜を祭祀に供えるという意味がある。
主な材料 :
ほうれん草のナムル : ほうれん草400g、塩小さじ1、朝鮮しょうゆ小さじ1、ごま油大さじ1、にんにくのみじん切り小さじ1、ごま小さじ1
大根のナムル : 大根500g、赤とうがらし1/4本、ごま油大さじ1/2、ごま大さじ1/2、ねぎのみじん切り大さじ1、にんにくのみじん切り大さじ1、塩大さじ1/2、しょうが汁小さじ1/2、水大さじ3、油少々
わらびのナムル : ゆでたわらび200g、ごま油大さじ1、砂糖小さじ1、ねぎの白い部分のみじん切り小さじ1、朝鮮しょうゆ小さじ1、ごま小さじ1、にんにくのみじん切り大さじ1/2、塩小さじ1/2、水大さじ4、油少々
ヤンニョム(味付け) :
<ほうれん草のナムル>
ほうれん草はきれいに洗い、塩を加えた熱湯で30秒ゆでる。 <ほうれん草のナムル>
ゆでたほうれん草を冷まし、水気をぎゅっと絞る。 <ほうれん草のナムル>
和える : 塩、朝鮮しょうゆ、ごま油、にんにくのみじん切りを加えて和える。 <大根のナムル>
大根は3ミリの厚さの千切りにする。 <大根のナムル>
赤唐辛子は種を取り除き、細い千切りにする。 <大根のナムル>
油を引いたフライパンににんにくのみじん切りを入れ弱火で炒めて香りを出す。そこに千切りにした大根を入れ中火にして3分ぐらい炒める。途中で塩としょうが汁を加える。 <大根のナムル>
水大さじ3を加え蓋をして弱火で7~8分火を通す。 <大根のナムル>
大根から水気が出てやわらかくなったら、ねぎのみじん切りとごま油を加えて軽く炒める。 <わらびのナムル>
ゆでたわらびは軽くゆがいて洗い、水気を切る。 <わらびのナムル>
ボウルに入れ、ごま油、ねぎのみじん切り、朝鮮しょうゆ、にんにくのみじん切り、塩、砂糖、水大さじ4を加えて30分おく。 <わらびのナムル>
油を引いたフライパンに味付けしたわらびを入れ、中火で5分炒める。 できあがったナムルを一つの器に盛り、ごまをふりかける。大根のナムルには赤唐辛子をのせる。 ☑ ほうれん草をゆでるときはオイスターソースを少量加えると、隠し味になる。
☑ ほうれん草は長くゆでるとやわらかくなりすぎてしまうので、熱湯で30秒ゆで、すぐに冷水にとる。
☑ 大根のナムルには、水の代りに干し桜えびでとっただしを使うと深い味が出る。
☑ 干しわらびを使うときは、米のとぎ汁に6時間ぐらいつけておき、熱湯で20~30分ゆでて苦みをなくしてから使う。
☑ わらびはプルゴギ(焼肉)のたれで味つけしてもおいしい。
ソン・ドンジュ:
CJフレッシュウェー メニュー開発/コンサルティングパート 主席シェフ
CJ調理師教育専門/ 韓国料理のクッキングクラス担当