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ライフスタイル

第580話 韓国のアイドルグループにタイ人のメンバーが増えています

#アジュンマの井戸端会議 l 2020-11-03

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

KPOPアイドルグループのメンバーの国籍が多様なのは、もはやまったく珍しいことではなくなっています。ただ、日本人や中国、台湾、香港など中国系メンバーに加え、タイ人のメンバーが多くなっているのが特徴です。


アイドルグループのタイ人のメンバーといえば、2008年にデビューした2PMのニックンが先駆けです。このときは外国人のメンバーが珍しかった時で、ましてタイ人のメンバーがいるということで、関心が集中しました。2PMは肉食系男子の代表のような歌とパフォーマンスを披露しましたが、ニックンはルックスもスウィートで、大きな人気を集めました。


その後は2014年にデビューしたGOT7のベンベンがいます。バンコク出身で、お母さんが韓国ドラマや俳優のチャ・スンウォン、歌手ピ(RAIN)のファンで、その影響で早くからKPOPアイドルを夢見ていたということです。GOT7はベンベンの他に、韓国人4人(JB、ジニョン、ヨンジェ、ユギョム)と台湾系アメリカ人のマーク、香港人のジャクソンという7人組の多国籍アイドルグループで、いまや韓流を代表するグループになっています。


韓流の代表といえば、このグループも外せません。2018年にデビューしたBLACKPINKです。BLACKPINKはデビュー曲の『BOOMBAYAH』からこれまで発表したすべてのタイトル曲のMVがユーチューブで2億ビュー以上という記録を持っています。10憶ビューを超えた曲も『DDU-DU DDU-DU』、『KILL THIS LOVE』、『BOOMBAYAH』と3曲あります。そのBLACKPINKにもリサというタイ人メンバーがいます。バンコク出身で、タイのダンスチームで活動していて、YGのタイでのオーディションで抜擢されました。他にもSMエンターテインメントのアイドルグループ、NCTのテンや7人組のガールズグループ、CLC(韓国・タイ・香港出身の7人組女性アイドルグループ。CUBEエンターテインメント所属)のソンなどもいます。 


このように韓国のアイドルグループにタイ人のメンバーが増えているのはどういう理由があるのでしょうか。大手芸能事務所の関係者は「タイは東南アジアの韓流の拠点としての位置づけにある。タイで人気を得られれば、東南アジアでも人気を得ることができる足掛かりになる」と話します。実際、タイのコンテンツや人気俳優たちは、その周辺の国でも人気があるそうです。また、「タイ自体がKPOPを熱く愛する国でもある」という点も理由の一つです。GOT7の所属するJYPエンターテインメントとBLACKPINKが所属するYGエンターテインメント側は、タイ人のメンバーの起用は「戦略的な選択」というよりは「優秀な人材の採用」であると口を揃えています。タイ人メンバーの成功例が増えていることで、タイでKPOPアイドルを夢見る若者が増え、それが、韓国のアイドルグループで活躍する機会が増えていることにつながっているようです。あと、タイ人のメンバーはタイ語のほかに英語や他の言語の会話が上手な人が多く、グローバルアイドルとしての素養を持っていることになります。


一方、海外でKPOPの影響力が高まっていることで、海外のファンたちによる、自国出身のスターに対する要求が多様になっています。最近では、香港の民主化運動やタイの民主化運動など各国の政治、社会的問題に対する関心を、KPOPスターやそのファンに求める声が高まっています。海外ファンのこうした動きに韓国のエンターテインメント業界も注目しているようです。業界の関係者は「単に歌って踊る、演技するだけでなく、自分たちと同じ時代を生き共感できる存在が求められているようだ」とした上で、「KPOPが文化をリードする立場に立っている今、KPOPアーティストは果たしてそうした問題に対し、どの程度まで肯定的な影響力を行使すべきかが、韓国エンターテインメント界の新しい課題になるだろう」と話しています。

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