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ライフスタイル

韓国の国勢調査「人口住宅総調査」

#マル秘社会面 l 2020-11-11

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

日本でも5年ごとに実施されている国勢調査、 「人口住宅総調査」が韓国でも今、実施されています。インターネットによる調査はすでに10月15日から31日まで実施され、現在は11月1日から18日まで調査員が直接訪問して聞き取りを行う対面方式が行われています。

5年に一度行われる統計庁の「人口住宅総調査」が「プライバシーの侵害」だと言われて岐路にたっています。どんな質問をされたのでしょう。

「夫の職場と勤務地がどこかという質問に、自営業だと答えると、店の名前を知りたいと言われ、ずいぶん詳しく聞かれるのだと感じました」

「自宅のアパートには部屋がいくつあるのか、結婚記念日はいつかなど、一部の質問はプライバシーの侵害にあたると感じ、不快になりました」

「子供は何人生む予定ですかという質問や、出身学校に、職場の部署名まで聞かれました」

1925年から始まった人口住宅総調査は国内に居住する韓国人、外国人の年齢と職業、居住地などを把握する最も規模の大きな社会統計です。名前と生年月日など、基本的な情報は行政資料を活用して全数調査を行い、具体的な質問は全所帯の20%を対象に標本調査で行います。

10月末まではインターネットとモバイルを利用した方式で行われ、今月に入り18日まではインターネットによる調査に参加しなかった所帯を対象に調査員が直接訪問して実施しています。

問題となっている質問内容。今年は5年前の調査の時にはなかった国籍取得の年度、一人所帯の理由、一人で暮らしている期間、ペットがいるかなど、7つの質問が新たに加わりました。質問は全部で45個ありますが、その中には

「出産した子供の中で死亡した子供がいるのか、その性別と死亡した年齢は」

「婚姻と関連し、再婚の場合、初婚の時期はいつか」

のようなものもあります。

統計庁の関係者は「低出産現象が持続し、韓国の政治・経済・社会の全般で人口構造の不均衡が心配される。女性の経済活動と育児、男女平等、子供の教育問題の解決などのための政策の基礎資料を作成するためにも現実的な出産水準に対する調査が必要だ」と述べています。

プライバシーの侵害という問題は実は5年まえの調査の時にも言われていました。2015年の調査の時には、調査対象360万世帯の中で答えるのを拒否した比率が1.11%に達しました。これはその5年前、2010年の拒否率0.23%よりもだいぶ増えた数字でした。

2015年にはある市民が「人口住宅総調査」はプライバシーの維持という国民の基本権を侵害するものだとして、統計庁を相手どり憲法裁判所に訴えたこともありました。この時の憲法裁判所の判断は2017年にだされ

「調査を通じて達成される公益が請求人の私益の制限よりもはるかに大きく重要だ。調査が個人情報自己決定権を侵害するとみることはできない」とされました。

日本の国政調査は日本に住んでいるすべての人を対象に行われている全数調査です。それに対して韓国の場合は調査対象は全体の20%です。国政の基本となる大切な調査だということは分かりますが、正直、直接調査員と向き合い行う対面調査は気が重かった記憶があります。なんでこんなことまで聞かれるのだろうと昔、思いました。今年は幸い、我が家は調査対象には入っておらず調査員が来ることもありません。

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