メニューへ 本文へ
Go Top

ライフスタイル

コロナ世代の一年生

#マル秘社会面 l 2020-11-25

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

今年、小・中・高・大学に入学した新入生は、教育部の教育統計サービスによると、その総数は194万7009人、学生全体のおよそ23.5%になります。そして彼らはコロナ時代の新入生で、入学式も無く、授業も最初からオンライン授業という全く新しい形の学校生活を経験しています。

中央日報がコロナ時代の新入生の学校生活を調べるために、10月14日から11月5日まで、小中高校の1年生227人と大学1年生121人を対象に調査を実施しました。彼らはどんな一年を過ごし、今、どんな気持ちでいるのでしょうか

小学校1年生のキム君は1週間に平均2.2日登校し、1日平均4.3時間オンライン授業を受けます。そして「学校の先生が怖く、学校でもほとんど皆何も話しません。学校よりも塾の方が楽しいです」と話します。

では学校の友達の名前、何人くらい知っているかとたずねたところ,5人の名前があがりました。さらに英語塾の友達の名前を聞いたところ笑顔で10人の名前を答えてくれました。そして「学校に行っても友達と話す時間も無いし、隣に座る子もいません」と話します。

体育の時間、鬼ごっこをしても子供たちはタッチをしません。感染を防ぐためです。またドッチボールをする際には手に使い捨てのビニール手袋をしなければなりません。学校の先生は「一年生がハングルを学ぶ前に、コロナの防疫守則から勉強するという前代未聞の防疫世代であり、遊びの減少で社会性を習得する機会を奪われた世代でもある」と心配します。

他の先生も「1年生はトイレなど学校施設の利用方法、友人の話に耳を傾けることなど、団体生活のルールを最初の1カ月で身につけます。でもこのようなことをオンラインで行おうとするので、限界を感じるほかありません」と言っています。

小学生だけではありません。中学1年生のイ君は「中学生になり友達も完全に変わった状態で、修学旅行で仲良くならなければならないのに、コロナのせいで修学旅行の話は全然でてきません」と述べ、友人との疎通に関しては小中高と大学を合わせて全体の58.8%がカカオやフェイスブックなどのモバイルで行い、友人と連絡しないという人も全体の25.9%に達しました。

大学生も事情は同じです。むしろ名前を知っている友達の数は小中高校生よりも大学生の方が少ないくらいでした。サークル活動などのオフラインの活動を基盤とした人脈作りができないため大学1年生は「授業や学業と関連して尋ねたい内容が出てきても、尋ねる先輩も友人もいません。すべて自分一人で解決しなければならないので、誰もいない大学のキャンパスに一人で立っている気分です」と話しています。

新一年生の学校生活、孤独感が感じられます。一方で学業の方はオンライン授業の導入はまさに格差の拡大を生み出しました。学校や教師の側の施設や準備状態はもちろん、一年生一人一人のオンライン環境が学習内容に大きな差を生じさせました。

オンライン授業に対する満足度は大きく差が広がりました。オンライン授業は学習内容の理解に役立つかという質問に「役立った」が40.6%、「役立たない」が39.2%、そして「学校の授業と変わりない」が20.2%でした。個人の学習意欲や家庭での学習環境により学力格差が広がっていることが分かります。

これは成績にも直結しています。大学修学能力試験の模擬試験の成績を比較してみたところ、今年の国語、数学、英語の主要科目の成績で、90点以上と40点未満の比率が大きく伸び、反対に中間グループの比率が落ち込みました。

教育当局は来年までオンライン授業とオフライン授業の併用は避けられないと見ています。教育部の関係者は「新型コロナが来年も1年間ずっと影響を及ぼすこともあり得るとみて、準備をしています。双方向の遠隔授業コンテンツを通じて互いに討論をして友達もできるようなプログラムを来年には大きく拡大する計画です」と話します。

世の中全体が変わってしまい、誰もがみんな戸惑ってきた一年でしたが、その中でも一年生たちの不安と困惑は一番大きかったことでしょう。あるいは本人たちは気づかないうちに、何かが今までの一年生とは大きく違っているのかもしれません。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >