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ライフスタイル

第600話 なぜガールズグループだけが「逆走」?

#アジュンマの井戸端会議 l 2021-03-30

玄海灘に立つ虹

ⓒ BANANCULTURE ENT

一本の動画から4年前の楽曲がチャートを「逆走」して大きな話題になっているブレイブガールズが大きな話題をさらってますが、以前リリースした曲がひょんなことから人気を得て、チャート首位に上り詰める現象を、韓国語で「逆走行」(逆走)といいます。

1990年代までは、こうした現象は珍しくありませんでしたが、2000年代に入ってからは、韓国歌謡界で大手芸能事務所に所属するアイドルが中心に活動するようになったことで、チャート逆走はあまり見られなくなっていました。大手事務所に所属するアイドルたちは、デビュー前からファンができて、デビュー曲がいきなり1位になることも少なくないのです。ところが、最近ではYouTubeとSNSの使用が活発になったことから、チャートの逆行という現象がまたしても発生するようになっています。この現象における3つの共通点を、朝鮮日報の分析記事をもとにお伝えします。


チャートを逆走したアイドルのまず最初の共通点は、ほとんどがガールズグループだということです。逆走という言葉が使われるようになったのは、2015年にガールズグループEXIDの『上下(위아래)』が、音楽チャートの首位になったことがきっかけでした。リリースされてから鳴かず飛ばずでランキング圏外だったこの曲がぐんぐん順位を伸ばしとうとう首位を占めたことで、「逆走」という言葉が使われるようになったのです。他にも、クレヨンポップやGFRIEND、OH MY GIRLなど、チャート逆走の代表的な例に挙げられるのはほとんどがガールズグループです。


ガールズグループの楽曲がチャートを逆行する場合が多いのは、ファンダムの違いがあるからだと、朝鮮日報は分析しています。ボーイズグループのファンは主に10代から20代の女性に集中していますが、ガールズグループのファンは男女が占める割合が同じぐらいか、男性のほうが多く、ファンの年齢層も30代、40代と幅広いため、ガールズグループが一度注目されるようになると、多様な人たちの関心を引くことになります。そうした大衆性ゆえに、地方でのイベントに呼ばれるのも、ボーイズグループよりガールズグループのほうが多いといいます。


次の共通点はファンが撮った画像(韓国語でジッケム)です。先に名前が挙がったEXIDやクレヨンポップ、GFRIEND、ブレイブガールズなどは、地方でのイベントや大学祭などで歌ったときにファンたちが現場で撮ったビデオをYouTubeに掲載し、その画像が話題になり、注目された形となりました。個人個人のファンが撮ったものなので、同じ現場で同じ舞台を撮ったものでも多様なバージョンが出てきます。そのため、そのうちのどれかが注目されるようになると、YouTubeのアルゴリズムによって、似たような画像が推薦リストに現れるので、それらを観ているうちに自然と好感を持つようになるという仕組みです。ブレイブガールズが所属する事務所の関係者は、「長い間軍隊での慰問公演を行ってきた上、最近では兵士が皆部隊でスマホを観ることができるので、YouTubeに動画が複数アップロードされたことが、注目される大きなきっかけになった」と話しています。 


最後の共通点は、逞しさ、粘り強さです。EXIDはデビュー後3年以上無名でした。その間主に全国の部隊を回りながら慰問公演を行っていたのはブレイブガールズと同じです。またGFRIENDは地方イベントで、雨で滑りやすくなった舞台で踊りながら何度も転んでは起き上がり踊り続け、歌い続けた様子が撮影されたビデオがYouTubeに掲載され、この動画が話題になったことで人気を得ました。チャートの逆行に成功したガールズグループはいずれも

中小規模の芸能事務所に所属しており、事務所の力ではなく実力でスターになったといえます。まだ若い女性アイドルたちが逆境に負けない逞しさ、粘り強さを見せてくれた点に、たくさんの人が感情移入し、奇跡のような出来事が起きたのではないかと分析されています。

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