メニューへ 本文へ
Go Top

ライフスタイル

第612話 シーズン制ドラマについて

#アジュンマの井戸端会議 l 2021-06-22

玄海灘に立つ虹


新しいドラマが一斉に始まりましたが、新しいと言うべきなのか、人気ドラマの続編が多くなっています。これまでも人気ドラマの続編がつくられたことはありましたが、もとのドラマをいろいろな意味で超える続編はほとんどなく、いくら人気ドラマでも続編は難しいと言われていました。しかし今では、アメリカの人気ドラマによくみられるシーズン制ドラマが、韓国でも珍しくなくなっています。6月は特に多いのが特徴で、いずれも好評な滑り出しです。


たとえば、SBSの『ペントハウス』はシーズン3が6月4日から始まっています。ケーブル系のTV朝鮮の話題作『結婚作詞 離婚作曲』はシーズン2が12日から始まりました。17日に始まったtvNの『賢い医師生活2』は、日本では、ネットフリックスを通じて観ることができます。昨年のシーズン1が韓国で放映が終わった時点から全12話が配信されていましたが、シーズン2は韓国での放送と同じ日に配信されています。


そして、18日からシーズン4の放送が始まったtvNの『ボイス』。シーズン3まではOCNで放送されていました。この二社は同じCJE&Mの系列ですが、代表格のtvNに移ったのは、それだけ人気のあるシリーズだからでしょう。シーズン4にはソン・スンホンがヒロインのパートナーの刑事として出演しているのも注目です。シーズン1は日本でもリメイクされています。


では、シーズン制ドラマが増えている理由はどこにあるのでしょうか。まずは制作サイドのリスクが軽減されるシステムである点が挙げられています。すでに確保されているインフラとキャラクターで新しいストーリーを作り出していけばよいので、それだけ制作に必要な時間を減らすことができます。また、すでにかなりのマニアが存在するというメリットもあります。それにシーズン制にすれば、たとえば一度に50話を放送するより、途中で休むことができるので、制作費が節約できるといいます。『賢い医師生活』を演出したシン・ウォンホさんは、「小道具や衣装など当然追加しなければいけないものもあるが、基本的には決まった枠の中で撮影が進むので、制作サイドにとってはいろいろと便利な点がある」とした上で、「新しい人物も登場するが、もとから出演していた俳優たちを起用する過程が省略できるので、準備すべきことがずいぶん減った」と、シーズン制ドラマの長所について話しています。


そのため、SBSの『浪漫ドクター キム・サブ』やtvNの『秘密の森』のように、作品がヒットした後で続編が企画された方式ではなく、最初からシーズン制を念頭に置いてつくられるドラマが増えています。とはいえ、シーズン制のリスクはあります。たとえば『賢い医師生活』は初めから続編をつくることを念頭に置いて企画されましたが、シーズン1が大衆的な関心を得ることができなければ、シーズン2は日の目を見れなかったかもしれません。それに、視聴者の選択の幅を狭くするのではないかとの意見もあります。アメリカほどチャンネルが多ければ、シーズン制のドラマが多くても視聴者の選択肢を奪うことにはならないのですが、韓国はアメリカほどチャンネルが多くないからです。また俳優にとっても、イメージが固まってしまうリスクもあります。


加えて、韓国ドラマが世界的に人気を得ている要因の一つは完結性にあるという指摘もあります。全16話の「ミニシリーズ」と呼ばれる韓国で最も多いドラマ枠は完結性が高く、これがだんだんなくなっていくというのは、韓国ドラマの世界での競争力の問題につながるのではないかとも指摘されています。 

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >