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ライフスタイル

第615話 韓国ドラマにクラシック音楽が流れている?

#アジュンマの井戸端会議 l 2021-07-27

玄海灘に立つ虹


韓国のドラマにクラシック音楽が流れているのを聴いたことがありますか。

ドラマ『悪魔判事』(tvN、7月~)第2話では、対立する判事(演:チソン)と法務部長官(演:チャン・ヨンナム)が同じパーティーで鉢合わせし、火花を散らしあうシーンで、ワルツが始まり、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番が流れてきます。また、ネットフリックスオリジナルドラマの『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』では、遺品整理士(演:タン・ジュンサン)は、依頼を受けた家を整理する前、イヤホンをつけてクラシックを聴く習慣があり、たとえば、高校を卒業して工場で働いていた男性の家ではシューマンの『トロイメライ』を、孤独死した女性の家ではドビュッシーの『月の光』を聴いています。


有名なクラシックの音源をそのまま挿入するのではなく、ドラマの雰囲気により合ったものにするため編曲を施すなど、音楽のクオリティーも高くなっています。ドラマ『悪魔判事』でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をワルツシーンに合わせて3拍子に編曲して使った音楽監督のチョン・セリンさんは、「既存のワルツ曲よりも微妙な感情や強烈なテーマがはっきりと感じられる曲だから」だと、この曲を選んだ理由を説明しています。この曲は様々なバージョンに編曲され、ドラマの中で繰り返し使用されるということです。演奏はチェコ現地のチェコ・ナショナル交響楽団(CNSO, Czech National Symphony Orchestra)によるものです。 


ドラマの中の状況をよりドラマチックにするために、クラシックが活用されることもあります。JTBCの『わかっていても』(6月~)では、ヒロインのナビ(演:ハン・ソヒ)の元カレが出展している展示会「ナビ(蝶々)」のシーンで、ショパンエチュード「蝶々」が流れます。またSBSの『ペントハウス』では、ヒロインが弾くリストの超絶技巧練習曲第4番「マゼッパ」は不倫を素材にした曲です。JTBCの『スカイキャッスル(邦題:SKYキャッスル~上流階級の妻たち~)』で、入試コーディネーターのキム・ジュヨン(演:キム・ソヒョン)のテーマはシューベルトの「魔王」でした。子どもを追い詰める内容の歌詞です。 


かと思えば、今年5月に韓国での放送が終了したtvN『ヴィンチェンツォ』では、主人公のヴィンチェンツォのテーマ曲のように使われているバッハの「シャコンヌ」が、最初は悲壮な雰囲気を醸し出していましたが、後ではコミカルな効果音として使われるようになっています。


「映画のような」ドラマが増えたことも、クラシック音楽がドラマで活躍することが多くなった理由だと指摘されています。「演出の重要性が高まっているため、ドラマ音楽のクオリティーも高くなった」、「映画のフイルムのような質感を感じさせる画面が増えていて、クラシックが画面によく合う」などと評論家らは説明しています。ただ、ドラマ音楽に積極的に参加するクラシック演奏者やオーケストラは韓国国内にそう多くはありません。ドラマ『悪魔判事』の音楽をチェコナショナル管弦楽団が演奏したのもそうした理由からです。一方で、人気韓国ドラマのOSTをクラシック奏者たちが演奏したサウンドトラックアルバムもリリースされています。 『SHADES OF LOVE』というアルバムで、アルブレヒト・マイヤー(オーボエ)、ダニエル・ホープ(ヴァイオリン)、サー・ジェイムズ・ゴールウェイ(フルート)など巨匠と呼ばれるスター・アーティストが多数参加しています。7月9日には音源が、16日にはCDが発売されました。このアルバムには、『トッケビ』や『太陽の末裔』などのサウンドトラックが収録されています。

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