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ライフスタイル

第617話 恋愛ドラマ、関心を集められない理由?

#アジュンマの井戸端会議 l 2021-08-10

玄海灘に立つ虹


韓国の恋愛ドラマは、最近、視聴率の面でも、話題性の面でも、注目度が低くなっています。

たとえば、tvNの月火ドラマ『君は僕の春』。ロマンチックコメディの女王と呼ばれているソ・ヒョンジンと久しぶりのドラマ出演となる俳優キム・ドンウクが主演だったのですが、7月5日に放送された第1話の視聴率は3.39%、27日には1.98%と、1%台にまで下がっています。JTBCの水木ドラマ『月刊 家』も振るいません。裏番組にtvNの『賢い医師生活2』の存在がありますが、それでも視聴率は毎回2%台にとどまったまま、今月5日に放送が終了しました。同じく恋愛ドラマのJTBCの土曜ドラマ『わかっていても』も期待に及ばず、1%台の視聴率となっています。 


恋愛ドラマの視聴率が振るわないことについて、放送関係者は「ミステリーものなど特殊なジャンルのドラマが増えている中で、恋愛ドラマはそうしたジャンルのドラマほどの刺激やスリリングな展開がないことが主な要因ではないか」と指摘しています。特に恋愛ドラマの主な視聴者層は10代から20代の若者たちですが、この世代はすでにユーチューブなどのウェブコンテンツを主に利用しており、テレビを視聴しなくなっている世代だと言えます。興味を惹かれることがなければ直ちにほかのコンテンツに関心を向けるそんな世代で、メディアの変化もそれに応じるような形で速くなっています。この世代の関心を引くにはスピーディーな展開が必要だということになります。


違う関係者は「最近ドラマの原作はウェブトゥーンである場合が多く、恋愛ものも例外ではないが、恋愛ドラマの場合はウェブトゥーンの原作がヒットにつながらないことが多い。恋愛ドラマには現実的な要素も適切に織り込まれていなければならないが、漫画が実写版になるとどうしても、観る人が気恥ずかしくなるような描写が多くなる。演出でカバーすべきだが、それもうまくいっていないようだ」と分析しています。


また最近の社会的雰囲気も、恋愛ドラマへの無関心の要因となっています。恋愛や結婚をしない、興味がないという女性が増えている中で、男女のラブストーリーはあまり共感を得られないのではないかというのです。そのため、恋愛ドラマが関心を引くには、時代の流れを綿密に分析しなければならないという指摘もあります。これまで恋愛ドラマが愛されたのは、一般大衆が欲しているキーワードをストーリーにうまく溶け込ませ、いわゆる「代理満足」ができるようにしてきた点が挙げられています。


この数年間、ヒットした恋愛ドラマ、たとえば、『愛の不時着』や『サイコだけど大丈夫』は、男女の恋愛だけでなく、人間の普遍的な感情を織り込みながらもその作品ならではの特徴を強く浮き彫りにしています。また受け身の女性ではなく積極的で前向きな女性を前面に出しているのも、そうしたドラマが成功した要因の一つだとされています。かつてはシンデレラストーリーが韓ドラの特徴でそれが愛されていましたが、いまはより完成度の高い、また違った形のラブストーリーが待たれていると言えるでしょう。

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