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ライフスタイル

第620話 ネットフリックスと映画館の共存関係始まるか

#アジュンマの井戸端会議 l 2021-08-31

玄海灘に立つ虹


ネットフリックスオリジナルとして制作された韓国映画が、9月に映画館で上映されることになりました。

シネコン大手のCGVは、映画館で公開することなくネットフリックスだけで観ることができた韓国映画7本を上映することを決めました。上映されるのは、『勝利号(邦題:スペース・スウィーパーズ)』、『狩りの時間』、『コール(邦題:ザ・コール)』、『チャ・インピョ(邦題:チャ・インピョはどこへ消えたのか?)』、『楽園の夜』、『第8日の夜』、『甘酸っぱい』の7本で、9月1日から12日まで、全国のCGVで上映されます。


少し前にCJ ENMが映画『SEOBOK/ソボク』と『ミッドナイト(原題)』を自社のOTTと映画館で同時上映したことはありましたが、ネットフリックスだけで配信されていた韓国映画が、一般の観客を対象に映画館で公開されるのは今回が初めてのことです。ポン・ジュノ監督のネットフリックスオリジナル映画『オクジャ/okja』が一部の映画館で公開された際、CGVなどシネコン大手では、OTTと映画館の同時公開はできないとして、上映をボイコットした経緯があります。そのCGVが、ネットフリックスと手を組んだということで注目されています。


新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中で、互いに少しずつ歩み寄り、観客のニーズがあるネットフリックスの映画を映画館で上映することで、映画館とOTT、さらには制作会社と観客をも満足させる新たな協力モデルがつくられたと、CGV側は話しています。


特に韓国初のSF大作『勝利号』に注目が集まっています。映画館での公開を念頭に置いていたものの、コロナ禍で240億ウォンに達する制作費を回収するめどが立たず、結局ネットフリックスでの公開となっていました。ネットフリックスを通じてこの映画を観た人たちのなかには、映画館で大きなスクリーンと立体的なサウンドで観ることができたらもっとよかったのではないかという感想を持った人も多かったということです。


一方で、韓国の映画祭を代表する釜山国際映画祭も、OTTに門戸を開放します。今年10月に開催される第26回釜山国際映画祭では、アジアの映画祭としては初めて、話題になっているOTTドラマシリーズ(シリーズもの)を、「オンスクリーン」というセクションを通じて上映することにしました。釜山国際映画祭では、ネットフリックスの映画を上映したことはありましたが、OTTドラマシリーズまで上映するのは初めてです。


釜山国際映画祭で公開されるOTTの作品は、ネットフリックス韓国オリジナルシリーズの『地獄』と『マイネーム』、そしてHBOアジアオリジナルの『Forbidden』の3作だということです。『地獄』は、同じタイトルのウェブトゥーンが原作のホラーで、俳優のユ・アインが新真理会という教会を率いる主人公を務めます。監督は韓国のゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホ監督です。映画祭では全6部のうち第3部(150分)が上映されます。『マイネーム』は、ネットフリックス話題作の『人間レッスン』の監督、キム・ジンミン氏が監督を務めるアクションノアールです。全8部のうち第3部(143分)が映画祭で上映されます。タイのアヌーチャ・ブーニャワタナ監督と韓国系アメリカ人のジョシュ・キム監督が共同で演出する、タイを舞台にしたホラーです。 


釜山国際映画祭の関係者は、「多様な方面に拡張している映画産業の今を機敏に反映させると同時に、映画関連メディアの多様化する流れを受け入れる」と、その趣旨を明らかにしています。ちなみにベネチア国際映画祭やトロント国際映画祭などは似たようなセクションをすでに設けています。

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