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ライフスタイル

コロナで変わった韓国人の住生活

#マル秘社会面 l 2021-09-22

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

先日、コロナ禍で韓国人の食生活がだいぶ変わりました、という話をしましたが、変わったのは食生活だけではありませんでした。今日は住生活です。

「東亜日報」にこんな記事が載っていました。「コロナ禍で増えた在宅勤務、食卓の大型化が進んだ」というものです。コロナと食卓、私は小学生など小さな子供のいる家庭の話かと思ったらそうではありませんでした。

一人暮らしの20代の男性は今年初め4人用の円卓と椅子を2脚購入しました。その理由は「コロナ禍で自宅は退社後に寝に帰るだけの空間ではなく、在宅勤務をして友人と交流する場所になった。それできちんとした食卓が必要になった」と話しています。

東亜日報が主要家具メーカーの最近3年間の品目別の販売率を調べたところ、食卓の販売が最も大きく増加し、かつ食卓の大型化の傾向も見えてきました。

家具メーカー「現代リバート」の、コロナ禍の去年1月から今年6月までの販売実績を見ると、食卓が含まれたキッチン家具の売上が一番大きな成長をしていました。


またキッチン家具の中でも6人用食卓の売上が新型コロナ以前より25%と最も高い成長率を見せていました。現代リバートの関係者は、「6人用の食卓が、主力商品に浮上したのは異例なことだ。1人や2人世帯は4人用食卓を探し、4人世帯は6人用食卓を探すなど消費者は大きな食卓を好んでいる」と話しています。

また大型の食卓が人気を集めている傾向は、部屋のインテリア全体にも大きな影響を与えているようです。食卓がキッチンの片隅を離れ、リビングの「中心家具」として浮上しています。

最近、食卓をリビングに置き、ソファーは別の場所に移すのが一つのトレンドになっています。大学生の男性は「在宅勤務の父親も広いテーブルを探して台所によく来るので、部屋の中の配置を変えました。リビングに食卓を置くと集中もできるし、ご飯ももっとおいしい」と話しています。

新しいリビングインテリアについて仁荷(インハ)大学消費者学科のイ・ウンヒ教授は、「テレビとソファーが中心の従来のリビングが持っていた休憩機能は部屋に移動しました。今やリビングは食卓を中心に業務、勉強、趣味などが行われる複合的空間になっています」と分析しています。

またこのようなコロナ禍での食卓をはじめとする家具の買い替えは家具メーカー全般に好況をもたらしています。しかしその中で、他のメーカーに比べてコロナ禍での成長率が低いメーカーがあります。世界的な家具メーカー「イケア」です。

「イケア」は2014年12月に韓国に上陸して以来、高い人気をほこり毎年二けた台の成長を遂げてきました。しかし家具メーカーが全体的に好況を博しているコロナ禍で、他のメーカーに比べて今一つ販売が伸びていません。現在イケアは「ハンセム」「現代リバート」に続く国内第3位の売上を上げていますが、コロナがむしろイケアにはマイナス要因になっています。

理由は二つです。一つ目はコロナ禍によりイケアの価格競争力が弱まったことです。イケアはグローバル事業戦略により規格化された家具を倉庫型の売り場で販売しています。そして自分で配送、自分で組み立てと言うシステムを通じて価格を下げてきました。

しかしコロナ禍で家具もオンラインで購入する消費者が増え、国内主要メーカーの完成品がイケアと同じような値段で、かつ無料で配送されるようになり、イケアの競争力が落ちたという分析です。

もう一つの理由はイケアの魅力の一つであるショールーム型の売り場を他のメーカーも相次いで真似したことです。イケアは寝室、リビング、浴室、キッチンというように、家の中の多様な空間をモデルハウスのように演出して見せることで消費者の購買意欲を煽っていました。それが最近では国内のメーカーもイケアと同じように、モデルハウス型のショールームを完備するようになりました。

コロナは韓国人の家のインテリアや、主要家具メーカーの売上にも大きな影響を与えています。さてワクチン接種が完了すればWITHコロナの世の中になると言います。そうなったらリビングに移された大きな食卓はどうなるのでしょう。気になります。

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