メニューへ 本文へ
Go Top

ライフスタイル

第628話 ホパンの季節がやってきました

#アジュンマの井戸端会議 l 2021-11-02

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

ホパンは日本の中華まんに似たお饅頭のことです。蒸したてのものは熱いのでホ~ホ~(日本語のフーフー)いいながら食べるパンということで、ホパンと名付けられました。三立食品(現在のSPC三立)の創業者、故ホ・チャンソン会長が日本で中華まんを食べて、それに影響され、韓国で1971年10月に初めて売り出しました。発売早々爆発的な反応があり、その年の12月31日だけで100万個以上を売り上げたということです。また翌年2月までの売り上げが、三立食品の年間の売り上げの15%を占めるほどよく売れたといいます。菓子パンがあまり売れなくなる冬に何とか売り上げを伸ばそうとつくったのがホパンでしたが、いまでは季節に関係なく販売されています。


ホパンは1971年から50年の間、62億個が売れました。2021年現在の人口を5000万として換算すると、全国民が毎年2.6個のホパンを食べてきたことになります。食べ物が多くなかった当時、ホパンはかなり高級なおやつでしたので、よく売れたのは当然だったかもしれません。しかし、食べ物が豊富になり発売から50年が過ぎたいまも、風が冷たくなってくると、ホパンが食べたくなるという人は多いです。以前はコンビニの前に、円筒形の、中が見える蒸し器が置かれていて、それを見ると冬が来たのを実感できるという、まさに冬の風物詩になっていましたが、いまでもその位置づけは変わっていません。


ホパンが販売されているのは主にコンビニが多いです。ちなみにSPC三立のほかにもホパンを作っているメーカーはありますが、SPC三立がほとんどのシェアを占めていて、今年もホパンの新製品がたくさん出ています。韓国の大手コンビニにはCU、GS25、セブンイレブンなどがありますが、それらで共通して売っているホパンがいくつかあり、そのほかの製品は、それぞれのコンビニと手を組んで共同開発したものです。なかでもGS25では今年、肉いっぱい餃子ホパン、カボチャチーズホパン、雲ソーダホパン(ソーダの香りのカスタードクリームが入っている)、はちみつさつまいもホパンなど、11種類を新たに売り出しました。CUではミントチョコホパンやオムレツチーズホパンなどが出るなど、今年SPC三立で合わせて23種類の新製品のホパンが出ました。


GS25が分析したところによりますと、小豆の入ったホパンと小豆以外のものが入ったホパンの売り上げは、2016年はそれぞれ54%、46%の割合を占めていました。それが、2020年にはそれぞれ31%、69%と、この数年で消費者の嗜好が大きく変化していることがわかります。それが毎年たくさんの新製品が出ている理由だということです。そしていわゆるMZ世代 (1980年~1994年生まれを指すM世代(ミレニアル世代)と、1995~2004年生まれを意味するZ世代を合わせた造語)と呼ばれる若い世代をターゲットにして、変わった味や色などでアピールし、SNS映えするよう仕向けているのも、新製品の増加につながっているということです。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >