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ライフスタイル

日常の回復直前の韓国

#マル秘社会面 l 2022-04-06

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

政府は新型コロナウイルスの感染拡大がピークを過ぎたものと見て、4日から感染予防対策のさらなる緩和を始めました。飲食店の営業時間制限を午前0時までとし、私的な集まりの人数制限を10人にしました。そして今後2週間、さらに感染者数が減少を続ければ各種感染対策をすべて解除し、室内でのマスク着用だけを義務化するという方針です。

そして街の様子は日常回復直前、あるいはすでにコロナ禍前の日常が回復したように見えます。そんな街の様子をご紹介しましょう。


まず仁川国際空港に活気が戻ってきました。先月21日に政府がワクチン接種済みの海外からの入国者に対する自己隔離義務を解除したことで、空港利用者数がコロナ禍以来はじめて1日2万人を超えました。海外からの入国者の公共交通機関の利用も認められたことから、防疫バスではなく普通のリムジンバスのバス停にスーツケースを持った人が並んでいます。ただ一部の入国ゲートや出国ゲートは依然として閉鎖され、海外ローミングの窓口も閉まっていますが、でも旅行需要は確実に増えていると、空港で働く人々の顔にも笑顔が戻ってきました。


スポーツ競技も入場制限がなくなりました。韓国プロ野球は2日から全国5つの球場で今シーズンの公式戦が始まりましたが、週末、球場には多くの野球ファンが訪れました。入場の際にコロナワクチン接種の証明書を見せる必要もなく。球場内でチキンとビールを飲むことも自由です。

また花見客で全国の桜の名所は賑わっています。早くも桜が満開の韓国南部の済州島や慶尚南道の鎮海(チンへ)にはたくさんの観光客がつめかけています。


一方で企業もコロナ以後の日常の回復に動き出しました。韓国の大企業の中で一番最初に鉄鋼メーカー大手のポスコが4日から全社員の出勤を始めました。朝の出勤時間には大勢の社員が回転ドアの前に列を作って入ってきます。会社の保育園に子供を預けたママさん社員はその足でオフィスに向かいます。ポスコはソウル地域に勤務する事務職社員全員に在宅勤務の終了を告げ、ポスコケミカル、ポスコインターナショナルなどの系列会社でも出勤体制への転換を進めています

サムスン電子は出勤の際に行っていたインターネットでの健康チェックもすべて中断しました。しかしまだまだ在宅勤務を続けるという企業も少なくありません。現代自動車、SK、LGなどは、これまで通り在宅勤務50%以上を維持するとしています。

大企業では系列会社や事業所、勤務形態別におよそ50%以上の社員に在宅勤務体制を敷いてきました。メーカーの工場などの必修人員を除けば、できるだけ在宅勤務をするようにというのがこれまでの方針でした。

そしてこのような在宅勤務体制に慣れてしまった20代、30代の会社員の間からは残念だという声が聞こえてきます。中堅企業に勤める20代の男性は「在宅勤務をすれば通勤にかかる時間を節約できるので夜、運動もできます。翌朝にはすっきりとした気分で効率よく仕事に取り掛かれていました。出勤するとなると上司と食事をしなくてはならないので、昼食時間の1時間も休むのではなく、感情労働をするような気分になるので1日9時間働いている気がします」と話します。

このような若者たちの声を反映し、経歴社員を募集するある企業は「コロナ禍終了後も週4日は在宅勤務を持続する」ことを福祉対策だとアピールしています。韓国では明らかにコロナ禍以前の日常に戻ろうとしていますが、一方でコロナ禍以前の日常では嫌だと、元通りではなく新しい日常を求める声も多そうです。

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