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ⓒ Getty Images Bank

ロシアのウクライナ侵攻を受けて韓国政府も国際社会によるロシアへの経済制裁に足並みをそろえる方針を決め、ロシアの主要銀行との金融取引を制限するなどの措置を取っています。そのような状況の中で今、韓国の水産市場でロシア産のカニが普段の半値で売られ注目を集めました。どうしたのでしょう。 

ロシア産のタラバガニは韓国ではズワイガニやロブスターと並ぶ高級食材ですが、最近ではスーパーやネット通販でも取り扱われ、さらなる人気を集めています。 欧米が、ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁としてロシアの水産物の輸入を禁止したため、価格は2月下旬からほぼ半値に下落しました。

またロシア産のタラバガニの40%は中国に輸出されていますが、オミクロン株により上海などの主要都市が封鎖されているため、その分、韓国に多数のロシア産タラバガニが入ってきたようです。

ノリャンジン水産市場によれば3月第5週のロシア産タラバガニの平均落札価格は1キロ当たり2万9000ウォンで、これはわずか1週間で40%近く下落した価格だということです。カニが安いという噂が立ち、市場ではカニを求める客がそれまでは1日100人程度だったのが価格の下落後は1日200人ほどに倍増したといいます。大手スーパーなどでは品切れ状態になったり、店のオープンと同時に大勢の買い物客が詰めかけるという風景も見られました。

SNSには「家族そろってカニパーティ」「2日連続カニを腹いっぱい食べた」という書き込みも見られました。

しかし安いカニを歓迎する人ばかりではありません。否定的な目で見る人もいます。消費者の中には、ロシア産水産物の購入がロシアの行動を間接的に支援するのではという懸念から、輸入をやめるべきだという考えです。 消費者も購入を控えるべきだという意見です。  

「カニは必需品ではない。安いからと言ってロシア産を輸入して食べるのは、間違っていると思う。ロシアに制裁を加えて他国と協調して戦争の早期終結を求めるべきだ」 

「ロシアに支払う金が銃弾となりウクライナ国民を殺害するの使われている。死んでいる誰かがいるというのに、カニが喉を通るのか」

しかし一方では「すでに輸入されたカニなのに、買わないからといって何が変わるのか。ロシアを制裁すればそれで国内の関連従事者まで影響を受けてしまう」という声も出ています。

アメリカは先月11日にロシア産の水産物の輸入を禁止すると宣言し、日本も関税を引上げロシア産水産物の輸入規模を減らすなど、制裁に同調しています。韓国はロシア産石炭の輸入を制限したほか、経済・金融面での制裁に加わる一方、食品の輸入制限は行っていません。

政府関係者は「韓国の水産業がロシアに依存している割合は想像以上に大きい。多くの利害関係があるので、ロシアが報復に出てくる場合、韓国がより大きな被害を被る可能性があるので、水産物の輸入を制限することは難しい」と説明しています。

海洋水産部の統計によれば2020年基準で国内の水産物の総輸入額は56億2114万5000ドルで、ロシアが中国に続いて2番目に多い16.5%9億2607万ドルを占めていました。そのうちタラバガニは輸入量の100%をロシア産が占めており、去年韓国はロシアから7765トン2億3114万ドルのタラバガニを輸入しました。

しかし現在は国内に入って来ていた在庫が底をつき、タラバガニの値段は再び上昇しています。ノリャンジン水産市場の価格情報によれば先週(4月4日から9日)までのロシア産タラバガニの価格は1キロ当たり4万4217ウォンで前の週に比べて倍以上値上がりし、11日には7万1700ウォンをつけたということです。

ということでロシア産半額カニは春の夜の夢のごとく、すでにはかなく消えてしまったようです。

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