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ライフスタイル

コロナとキオスク端末

#マル秘社会面 l 2022-05-18

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

リスナーの皆さんはキオスク端末をご存じでしょうか。フードコートやコーヒーショップ、ファーストフード店の店頭に置かれたタッチパネル式で注文する機械のことです。コロナ禍の影響で韓国では対面販売を減らし、アルバイトなど人員削減を目的として 、このキオスク端末が非常に多く登場しました。

韓国知能情報振興院の資料によればコロナ禍の3年の間にキオスク端末を導入した店が3倍になったということです。一番増えた業種が飲食業でこの3年で4倍になりました。そのほかにも大型スーパーのセルフレジ、映画館のチケット販売にも使われています。

しかしこの非対面の販売方式、キオスク端末を使うのは慣れないとなかなか難しいものがあります。KBSの取材陣が73歳のアン・ミョンジャさんに同行し、いったい何が難しいのか観察しました。

まず映画館です。見たい映画の名前と人数を選択するところまでは順調でしたが、座席指定の段階で戸惑ってしまいました。座席を選ばないと、最終決裁までたどりつけません。10分以上奮闘し、その間、隣の機械では若い男性がわずか1分でチケットを購入していました。

大型スーパーのセルフレジではバーコードをチェックするところまでは順調でしたが最後の決済ではまたもたついてしまいました。そして一番難しかったのがファーストフード店でした。あまりにメニューの種類が多く、到底何を注文して良いか決められませんでした。

ファーストフードのキオスク端末で注文をする際、アイスコーヒー1杯を頼むのにもサイズは、濃さは、オプションで何か加えるか、支払いはクレジットカードか他のカードか、割引クーポンはあるか、ポイントを加えるかなど、機械が後から後から質問してきて、それにすべて答えないと決済まで行きつきません。途中でつまずいたら、また最初からです。

科学技術情報部が実施した「2021デジタル情報格差実態調査」を見ると、一般国民のデジタル情報化の水準を100とした場合、55歳以上は69.1%に過ぎません。

キオスク端末の操作についていけないようなデジタル格差は年々深刻になっているため政府も2020年に対策をまとめました。デジタル教育を各地方自治体と共に推進するというものです。

2020年、21年に全国200の自治体が参加し、受講生も2020年に42万8千人、21年には65万6千人に増えました。受講生を年代別にみると60代以上が44.4%で最も多く、10代が21%、50代が13.6%でした。

ソウル市道峰区のデジタル教室ではキオスク端末での決済方法や、スマートフォンを利用したタクシー呼びだし方法などを教えています。

建国大学のメデイアコミュニケーション学科ファン・ヨンソク教授は「今はデジタル技術に対する能力がないと市民としての基本権さえ行使できない状況に置かれています。国民全体に対する教育の強化だけでなく、障害者を含めた社会的な弱者に、より多くの機会を与えられる政策・事業がより体系的、安定して執行されなければなりません」と述べています。

コロナ禍がもたらした社会の急激な変化は日常生活の隅々にまで影響を与えています。ハンバーガー店でハンバーガーとコーラを買うときに、スーパーやコンビニで買い物をするときに戸惑わずに、もたもたしていて周りに迷惑をかけないために、キヨスク端末の操作などデジタル文化をしっかり身に付けないと韓国では生きていけません。でもキヨスク端末の前で戸惑う時など、なんだか機械に馬鹿にされているようで正直、腹が立ってきます。

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