メニューへ 本文へ
Go Top

ライフスタイル

アートフェア「フリーズソウル」

#マル秘社会面 l 2022-09-07

玄海灘に立つ虹


アートフェアとは、美術商たちがひとつの会場に集まって自分たちが取り扱っている作品を展示する、アートの見本市です。スイスの「アートバーゼル」、フランスの「ピアック」と共に、フリーズは世界三大アートフェアに上げられます。そのフリーズが、今月2日から5日までソウルのCOEXコンベンションセンターで、「フリーズソウル」として開催されました。

フリーズがアジアで開催されるのは「フリーズソウル」が初めてです。またフリーズと共に、 韓国ギャラリー協会が2002年から開催している韓国最大規模のアートフェア「Kiaf(キアフ)」も同じCOEX内の会場で6日まで開催されました。「フリーズソウル」には現代アートを中心に世界21カ国から影響力のある110のギャラリーが参加しました。アジアの中でなぜソウルを開催場所に選んだのか、フリーズソウルのディレクター、パトリック・リー氏はメディアとのインタビューで

「フリーズは、国際的な文化都市でフェアを開催しています。地元のアートシーンが豊かで、優れた芸術的才能と洗練されたアートコレクションを育んできた韓国は、アジア初の開催国としてぴったりでした。ソウルは、アジアの芸術と文化の重要な拠点でありつつ、現在は国際アート市場の中心地として台頭してきています。その証拠に、国際的な大手ギャラリーが続々と拠点を構えています」

と語っています。「フリーズソウル」7万ウォンという高額な入場料にも関わらず連日大勢の観覧客でにぎわいました。そして主催者側は正式に発表していませんが、高額の作品が多数販売されたようです。そして、そのアート市場にMZ世代と言われる25-39歳の若者たちが関心を示しています。

数年前から韓国では若いコレクターたちがアート市場に飛び込んでいます。今回のアートフェアも同様です。一般観覧客も入場できた3日以降、COEXは20-30代の若者たちであふれました。COEXの3階の会場で開かれた「フリーズソウル」では美術館で見るような絵画を目の前で直接見られると興奮し、1階の会場で開かれた「Kiaf(キアフ)」では実際にアート作品を購入する人も多かったようです。若者たちは高価な作品は何人かで共同購入するという方法で、すでに500億ウォン規模の市場が形成されていると言います。インターネットでは「コレクターになろう」と言う若者向けの講座も開設されており「シャネルのバックの代わりにアートを買う」という若者向けの本も出版されています。

今回のアートフェア開催の陰の立役者、CJグループの·ミギョン副長主催の前夜祭が1日にソウルのリウム美術館で開かれましたが、この席にはイ副会長とは親戚関係にもあたるサムスン家の人々やギャラリー関係者、アート関係者などが招かれました。SNSにアップされたその時の写真を見ると、俳優のパク・ボゴムやイム・シワン、そしてBTSRMの姿も見えました。

「フリーズソウル」の開催に合わせて、「サザビーズ」や「クリスティーズ」のような世界的なオークション競売会社もソウルで特別展示を行うなどの動きを見せています。なぜアート市場が韓国に目を向けているのか、その理由として「購買力」が挙げられます。さらにアジアの美術市場のハブだった香港市場が委縮し、その後の新たな拠点としてソウルが浮上してきたと言えます。アジアのライバル、シンガポールは7-10%に達する税金の壁があり、日本は現代アートに対して保守的な傾向があるといいます。韓国のアート市場の去年の取引総額が1兆ウォンに迫っていました。さらに韓国には現代アートをリードする若い作家が多数存在することも大きな強みになっていると専門家は語っています。

フリーズのサイモン・フォックス代表は4日、「フリーズソウルは我々の期待を超えた」とし、「ソウルのエネルギーは素晴らしかったし、参加ギャラリーや世界の訪問客から多くの賛辞を受けた。我々はすでに来年の準備をしている」と述べています。韓国の美術関係者の中からは、「フリーズ」の陰に隠れて「Kiaf(キアフ)」の存在が薄くなってしまうのではという憂慮の声も聞こえました。7万ウォンは高いですが、来年はぜひ私も現場に見に行ってみたいです。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >