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ライフスタイル

第673話 ネットフリックス―昨日の敵が今日の味方に!?

#アジュンマの井戸端会議 l 2022-09-20

玄海灘に立つ虹

ⓒ Netflix

韓国ドラマの「イカゲーム」が、アメリカで放送された優れたテレビ番組に贈られるエミー賞の6部門で受賞しました。「イカゲーム」はネットフリックスオリジナルの韓国ドラマで、ちょうど1年前に配信され、世界的に大きな話題を呼びました。特に今回のエミー賞では、イ・ジョンジェの主演男優賞、ファン・ドンヒョク監督の監督賞受賞が大きなニュースになっています。ぞれぞれ、アジア人としては初めての主演男優賞、英語圏でない国のドラマの初めての監督賞ということで、大きな快挙です。


ネットフリックスは今でこそ秀逸な作品も多く、韓国でも大いに受け入れられているOTTサービスですが、2016年、ネットフリックスが韓国市場に公式に進出してからは、テレビや映画業界では懸念の声が上がりました。ネットフリックスの莫大な資本力に、韓国の市場が侵食されてしまうのではないかという懸念です。ネットフリックスのオンライン重視の戦略により、韓国ではシネマコンプレックス大手との対立も表面化した経緯もありました。2017年、ネットフリックスが600億ウォンを投じて制作した、ポン・ジュノ監督の「オクジャ okja」が、当時韓国国内ではオンラインと地域の映画館の一部でしか上映されなかったのです。


しかし今や、ネットフリックスというグローバルプラットフォームは、韓国の作品を海外に広めることができる媒体となっており、韓国のコンテンツが海外で高評価を得ることができるかどうかを判断する基準にもなっていると言えます。ネットフリックスによりますと、ネットフリックスに加入している世界中の人たちが、去年1年間、ネットフリックスを通じて韓国コンテンツを視聴した時間は、2019年に比べると6倍以上増えたということです。


ネットフリックスは、去年まで、韓国市場に1兆ウォンを超える資金をつぎ込みました。

そのうち去年だけで5550億ウォンが使われ、実際、去年は、イカゲームをはじめ、「D.P.(邦題:D.P.-脱走兵追跡官-」、「地獄(邦題:地獄が呼んでいる)」、「静かなる海」、「マイネーム」など、ネットフリックスオリジナルの韓国ドラマが、ことごとく話題作として注目を浴びました。そして今年下半期、ネットフリックスの韓国オリジナルドラマとして大きな話題をさらっているのが、「スリナム(邦題:ナルコの神)」です。


9月9日から配信が始まったばかりの作品ですが、すでに世界各国でよく観られているコンテンツとして上位に挙がっています。「スリナム」は全6話で、民間の実業家が、南米の国スリナムを掌握した韓国人麻薬王を検挙するため、韓国の情報機関、国家情報院の秘密作戦に協力するというストーリーで、実話をもとにしています。ドラマでスリナムは、大統領までもが密売組織に深く関わる国として描かれていて、このことで、スリナム政府が、「自国のイメージが悪くなった」として、ドラマの制作会社に対して法的対応を取る方針を明らかにしたと、日本語班のニュースでもお伝えしています。


そうした中で、南米にある韓国の大使館が、スリナムの韓国系住民に対して安全確保を呼び掛けたという記事もありました。スリナムは1975年に韓国と国交を結んでいて、1993年に韓国大使館が撤収し、現在はベネズエラ駐在韓国大使がスリナム駐在大使を兼ねています。大使館は、韓国系住民の安全確保のために最善を尽くすとしています。一方、韓国外交部の関係者はこの問題について、「ドラマ配信開始後、スリナム政府から韓国政府に対する正式な立場表明はない」とした上で、「外交部はスリナムとの友好関係維持のために引き続き努力している」と述べました。

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