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ライフスタイル

第686話 韓国のテレビドラマ、2022年の総決算!

#アジュンマの井戸端会議 l 2022-12-20

玄海灘に立つ虹


韓国で、地上波テレビ局3社を含めたテレビドラマの視聴率はおおむね下落していますが、ネットフリックスなどのOTTサービスとのコラボによって差別化されたジャンルや素材のコンテンツが登場したりもしました。今年の話題作をみてみましょう。


まずは、6月29日に放送がスタートした「おかしな弁護士、ウ・ヨンウ(邦題:ウ・ヨンウ弁護士は天才肌)」です。天才的な脳と自閉スペクトラム症という障害を持ったヒロイン、ウ・ヨンウが、いろいろな人たちに囲まれ出会いながら、弁護士としてさまざまな事件に直面し成長していく物語で、基本的には1話完結のオムニバス形式で見やすいドラマでした。このドラマは 「ENA」という新生のマイナーなケーブル局が作ったオリジナルドラマで、初回0.9%からスタートした視聴率は、最終話では17.5%という高視聴率を記録し、ENAはこのドラマを通じて一気に存在感を高めることができました。チャンネルの知名度やアクセスのしやすさよりも、コンテンツの質をより重要なものと判断する、現在の韓国の視聴者の傾向を示してくれたと言えるでしょう。


「ウ・ヨンウ」が記録した視聴率を更新したのは、ケーブル系大手JTBCのドラマ「財閥家の末息子」です。ソン・ジュンギ、イ・ソンミンなどが主演し、すでに高い人気を誇っていたウェブトゥーンが原作である点から、放送前から注目されていました。視聴率は、11月18日の初回は6.1%でしたが、12月18日の第14話は24.9%まで跳ね上がっています。これで「財閥家の末息子」は、大学入試のリアルな現実を描いた、同じくJTBCの話題作「スカイキャッスル」(2018~2019)を押さえ、JTBCドラマの歴代視聴率2位の座に上りました。


「財閥家の末息子」は、現在の記憶を持って過去に戻ったチン・ドジュンが、自分が知る未来の記憶を利用して財閥を牛耳ろうとする過程を興味深く描いています。実際の歴史とフィクションを適度に組み合わせ、幅広い年齢層から人気を得ているのも、高視聴率を記録した要因に挙げられています。このドラマは特に、これまで週に2回の放送が主流だった中で、金、土、日と週に3回の放送枠を新たにつくったこともドラマが成功した要因の一つに挙げられています。いわゆる一気見やまとめて一度に観たがる視聴者の新たな視聴パターンに見合った試みだったと評価されています。12月25日に最終回を迎えます。


ケーブル系大手のtvNは、今年、「二十五、二十一」が11.5%の視聴率となり、高い話題性を誇りました。1998年、韓国が類を見ない経済不況に陥っていたアジア通貨危機時代を背景に、夢を奪われた若者たちのジレンマと成長、そしてロマンスを描いたヒューマンドラマで、キム・テリとナム・ジュヒョクの好演が特に話題になりました。tvNでは他にも、「軍検事ドーベルマン」(10.1%)、「(若草物語(邦題:シスターズ」(11.1%)、「私たちのブルース」(14.6%)、「シュルプ」(16.9%)など二ケタ台のドラマを相次いで放送しています。


地上波ではSBSが、キム・ナムギル主演の「悪の心を読む者たち」(8.3%)、ソ・ヒョンジン主演の「なぜオ・スジェなのか」(10.7%)、イ・ジュンギ主演の「アゲイン・マイ・ライフ(邦題:アゲイン・マイ・ライフ ~巨悪に挑む検事~)」(12.0%)など、いわゆるジャンル物で成果を上げました。SBSでは特に、ナムグン・ミン主演の「わずか1000ウォンの弁護士」が15.2%の視聴率で、有終の美を飾ったと言えるでしょう。


一方、MBCとKBSは振るいませんでした。MBCで今年、視聴率10%を超えたドラマは「ビッグマウス」(イム・ジョンソク、ユナ主演)が唯一で、13.7%でした。KBSはこれといった成果を上げた作品がほとんどなく、第1テレビの大河ドラマ「テジョン イ・バンウォン」が11.7%と、唯一二ケタ台を記録したドラマでした。特にKBSでは、週末ドラマも今年は20%台と、期待外れの結果となっています。毎週土曜、日曜の2回にわたって放送される週末ドラマは常に30%台以上の視聴率を誇っていましたが、「ヒョンジェは美しい」は最高で29.4%にとどまり、次いで現在放送中の「三兄妹が勇敢に」はそれより低い22%台にとどまっています。主に中高年層をターゲットに視聴率を稼いできた週末ドラマですが、お茶の間の民心のこうした変化に、KBSがこれからどう対応するのか注目されています。

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