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ライフスタイル

第691話 映画『THE FIRST SLAM DUNK』、韓国で大ヒット!

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-01-17

玄海灘に立つ虹


映画『THE FIRST SLAM DUNK』が韓国では1月4日に公開され、9日からは、韓国のボックスオフィスでずっと2位を記録しています。1月15日までの観客数は93万4846人で、近く100万人を突破するとみられています。この100万人という数を上回る観客を動員した日本のアニメ映画はそう多くありません。 『君の名は。』 (2017·367万3885人)、『ハウルの動く城』 (2004·301万5165人)、『千と千尋の神隠し』 (2002·推定約200万人) 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』 (2021·215万1861人) 『崖の上のポニョ』 (2008·152万1842人) 『借りぐらしのアリエッティ』 (2010·108万3746人)の6つの作品だけです。


人気の原動力となっている年齢層は断然30代~40代です。シネコン大手CGVの調査によりますと、1月4日から12日までこの映画を鑑賞した30代と40代の観客が占める割合は、それぞれ43.2%、34.7%でした。性別では男性(61.9%)の割合が女性より多くみられました。この世代は1990年代にSLAM DUNKの漫画、アニメ、ゲームなどを経験した世代で、当時SLAM DUNKのコンテンツの人気は爆発的でした。その人気を裏付けるかのように、購買力はあっても映画館で映画を観る割合がほかの年齢層に比べて少なかった30代と40代の男性を、映画館に誘引しているのです。


この映画の韓国の配給会社は、公開日に全国で809のスクリーンを確保して上映に踏み切るという異例の措置を取りました。日本のアニメ映画は、興行がある程度保障されている新海誠や宮崎駿など有名監督でない限り、全国で250ぐらいのスクリーンで上映されているそうです。


この映画の上映に当たっては他の映画にみられなかった特徴があるのですが、それは、韓国語吹き替え版の人気が高いことです。これまで外国語映画の吹き替えは、まだハングルがうまく読めない子どもたちとその保護者が観る場合が多く、上映時間帯もそれに合わせて朝の9時から午後3時ぐらいまでとなっていました。それが、この映画の場合は、仕事が終わってから吹き替え版が観たいという30代から40代の男性たちからの要請が殺到したことで、吹き替え版の上映を増やす映画館が大幅に増えています。それも、夜7時から10時までのいわゆるゴールデンタイムと呼ばれる時間帯はもちろんのこと、夜中の1時以降の上映も行われています。配給会社の関係者は、「成人を対象にしたアニメの場合、字幕版の上映のほうがはるかに多いが、『THE FIRST SLAM DUNK』は、30代から40代の観客からの吹き替え版への要請が多かった」として、「字幕版と吹き替え版の割合を5対5、あるいは4対5ぐらいにしている」と話しています。昔読み慣れた、聴き慣れた言葉で観たいというニーズが反映された結果です。そのため、韓国語の吹き替えでは、この世代の思い出の中の声と異質な声が出てきてはいけないということで、声優の採用を重視し、すべてのキャストをオーディションで選んだということです。その結果、以前韓国のテレビでも主人公のカン・ベクホ(日本の原作では桜木花道)役を担当していた声優のカン・スジンさんが映画でも同じ役の吹き替えをすることになったといいます。カン・ベクホを含むブクサン高校(湘北高校)バスケ部の5人のメンバーのボイスキャストは、韓国でアイドルグループのメンバーがデビュー前に一人ずつ時差を置いて公開されるのと同じく、一人ずつ公開されたということで、注目度の高さがうかがえます。

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