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ライフスタイル

マスク解禁、街の反応は?

#マル秘社会面 l 2023-02-01

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

今週の月曜日30日から、室内でのマスク着用の義務が大幅に緩和されました。2020年10月に政府がマスク着用義務指針を出してからおよそ2年3ヵ月ぶりのことです。しかし着用義務が解除とは言っても、いつでも、どこでもマスクを外してかまわないかというとそうではありません。全面的な解除ではなく、はずしても良いですよと言う「勧告」の水準です。そのため市民の間では混乱も起きています。

具体的に見ていきますと、まず地下鉄やバスなどの公共交通機関では、ホームまではマスクをしなくても構いません。でも地下鉄やバスに乗車したらマスクは着用しなければなりません。不特定多数の利用する公共交通機関には旅客船や航空機、タクシーなども含まれます。今日からマスク無しに地下鉄に乗れると思ったAさんは、自宅にマスクを置いて出てきました。そして地下鉄に乗ろうとおもった瞬間、駅員さんからマスクをかけるようにと指摘されました。マスク無しはホームまでだからです。

スーパーや映画館でもマスクをはずしてかまいません。ただ、スーパーの中にある薬局で薬を買う時にはマスクをしなければなりません。スーパー内で薬局をしているBさんは、マスクをかけずにやって来たお客さんに「薬局内ではマスクをかけてください」と言ったところ、お客さんから「なぜマスクをかけるのか」と怒鳴られたと話します。

スポーツジムやヘルスクラブなどの室内体育施設でも、マスクをかけずに運動することができるようになりました。またプロバスケットボールなど、室内体育館で行われる競技を観覧する際にもマスクを外してかまいません。ジムの利用者は久しぶりにマスク無しで運動ができるので非常に快適だと喜んでいます。

冬休みを終えて30日から登校を始めた学校では、小学生も高校生も「マスクをとった顔を友達に見られるのが恥ずかしい」という反応でした。3年ぶりに友達に素顔を見せることになり、ドギマギしたようです。入学後初めて校内でマスクを外したという小学2年生は「友達の顔を見ることになり、少し慣れない感じがする」と言っています。5年生の女子生徒は「マスクを外せば『マギクン』と言われないか心配だ」と話します。「マギクン」というのはマスクとサギクン(詐欺師)の合成語で、マスク着用時と外した時の姿がかなり違う場合のことを表わす新造語です。でも中には「マスクをとり、ポケットに手を突っ込んで教室に入ってきました。気分は最高です」と言っている男子高校生もいました。

一方、幼稚園では先生が「今日からマスクをとっても良いですよ」と言っても「コロナが怖い」と言ってマスクをはずさない園児がいました。また先生は「マスクをつけた生活は子供たちの情緒にも大きな影響を与えました。マスクをしているので、どうしても大きな声を出すようになり、顔の表情が分からないのでお互いに怒っているのだと思い喧嘩になることもあった」と話しています。

今後もマスクははずしませんと宣言しているのは予備校です。一日中校内にいるので、父母の心配もあり当分はマスク着用を続けるとしています。同じように小さな子供のいる家庭、学校に通う子供のいる家庭では、自分のためだけでなく、家族のためにもマスクははずしませんという人が多いようです。また飲食店もマスク着用は続けるというところがほとんどです。カフェの店長はスタッフに「マスクを着用して勤務して欲しい」と伝えました。マスクをするのが衛生的だと言う判断からです。このように全体的にみるとマスク着用の義務が緩和されたとはいえ、まだまだマスクをしている人がほとんどです。大部分の人がマスクを外すことに抵抗があり、思わず周りの人がマスクをしているか、あるいははずしているか確認してしまうと話します。 

専門家はこんな人々の心理を 「義務が解除されても、いくつかの理由でマスクを使い続ける『マスクキーピング(keeping)族』がしばらくは多いはずです。3年以上も着用していたのでマスクが衣服の一つのようになり、心理的安定、習慣などの理由でマスクを付けておきたいという意識が働くのです」と説明します。ただ企業では早くも変化が見られます。社食からはテーブルの上の仕切りが無くなり、会議もオンラインから対面に切り変わりました。さらに海外出張や教育プログラムもこれまでのオンラインから対面に変わります。手探りですが、確実にコロナ前の日常に近づいているようです。

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