日本の琴といえば、古事記にも出てくる日本の伝統楽器の一つです。この琴を教える教室がソウルの日本大使館公報文化院に設けられて5年。今年も4月15日から始まりました。そこで今回の「見た!韓国の素顔」は、この教室を訪ね、「琴を教え、習う人たちの素顔」に迫ります。
公報文化院の筝曲教室は?
2009年に開設
講師は、東京・杉並区で琴を教える富元清英(とみもとせいえい)さん
4月15日に開講、月2回の稽古が1年続く
生徒は5年目の2人を含む韓国の女性10人
琴を習うきっかけは?(生徒)
「私は宗教音楽に興味があり、日本の三味線や琴、胡弓もしています。琴は10年前から
習っていますが、専門家から教えてもらおうと参加しました。ここで習ったことを仲間にも
教えたいですね」
「音色がよくて・・・、関心しました。韓国のコムンゴは、音色が重く、男の楽器みたいで、
琴はさびしい感じで、日本的な感情がかなりする」
琴の音に惹かれて遠距離通学の理由は?
「往復6時間以上かけてきています。(それでも通うのは?)韓国では、日本の琴が習える
のはここ1か所しかなくて・・・。1か月で2回のために、会社を休んでやってきています」
稽古ぶりは?(月2回のお稽古で来韓する講師・富元清英さん)
「本当に感じることですが、国民性の違いを感じる。何が違うかというと、韓国の人は一つのことを一生懸命に始めると、すごいんです!すぐ実力を発揮する。日本人は、自分は習い始めだからすぐ上手くなれなくても仕方ないと思う。韓国の人は『先生のようになりたい』という気持ちの強さがある」
韓日関係が冷え込む中で・・・(生徒)
「政治のことでは悪いかもしれないけど、文化的には関係ないとおもう。(琴は13弦。韓国と日本の間を結ぶ糸がもっと増えるといいですね?)そう思って習ってますよ!私たちが日韓交流の柱になればいいかなと・・・。琴の糸ですね。そう琴の糸です」
「普通の人の関係は政治とは違う。個人と個人では、考えたことない」
「習って1年。先生がいつまで教えてくれるか分からないけど、最後まで習っていきたい。(先生いつまでっていってますけど?)困ったわね。健康が許せば、ずっとやっていきたい」
教える立場では・・・(富元清英さん)
「国と国の摩擦はこちらでは感じない。10年前と変わらないし、5年前と今もちっとも変わらないし・・・気持ちが通じているというのが実際の気持ちですね」
富元清英さんのメッセージは?
「琴を習う以上、(韓国でも日本と)まったく同じ方法で教えている。すーッと入っていく素直さでやってもらえるので、日本のものだからというより、この楽器の音がいいからで始まっていると思う。その魅力が分かってもらえれば、日本も韓国もないと思ってますけど・・・」
6歳から琴を習い始めたという 富元清英(せいえい)さん。2002年の韓日ワールドサッカーが縁で、琴による韓日交流を続けています。5年前から始まった筝曲教室を通じて、韓日交流をさらに深めています。
「琴線に触れる」の例え通り、13本の弦を爪弾きながら日本文化の真髄に触れ、相互の理解を深め合う。そんな思いが教室に響く琴の音に一段と強まる取材でした。