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旅行

ブックシティ、坡州出版都市

2011-10-11

ブックシティ、坡州出版都市
ソウルの近郊、京畿道(キョンギド)坡州市(パジュシ)にはブックシティと呼ばれる、坡州(パジュ)出版都市があります。

ソウルから坡州出版都市に向かう時は、地下鉄2号線、堂山(タンサン)駅または合井(ハプチョン)駅から9000番、2200番、200番バスに乗ります。都心を通りぬけて、ソウルを横切って流れる川、漢江(ハンガン)沿いに伸びている道路をさらに30分ほど走っていくと、坡州出版都市の入口が見えてきます。英語で「坡州ブックシティ」と書いてある褐色の柱が目印です。

坡州出版都市に入ると、大きな通りをはさんで出版社などの建物が並んでいます。この街の建物はどれもユニークなデザインで、オフィスというよりは大きな美術作品のように見えます。それもそのはず。坡州出版都市は設計の段階から韓国を代表する建築家を中心に100人あまりの世界的な建築家が参加していました。坡州出版都市には本が好きな人たちだけではなく、建築やデザインに関心のある人もたくさん来ています。

ブックシティの建物は大きさもデザインもまちまちですが、不思議なことにどの建物も周りの景観を損なうことなく、うまく溶け込んでいます。坡州出版都市は葦が群生している川沿いに作られた街で、美しい自然が広がっています。この自然を損なわないために、ブックシティに入ってくる会社は建物を設計する段階からいくつかの約束を守っています。山や川など周辺の眺めを妨げない、人が歩ける道を十分に確保する、建物の色も自然に近い色にするなどの小さな気配りです。

今から22年前の1989年、現役から引退した出版関係者が集まって本の街を作ってみようというアイデアを出しました。この企画が実現したのは2005年のことでした。6年が過ぎた今、坡州出版都市は出版社をはじめ、印刷、製本、デザインなど、本の出版にたずさわる300あまりの会社が集まっている、文字通り、本の街に生まれ変わっています。

10月1日から9日まで、ここ坡州出版都市で「坡州ブックソリ2011」というイベントが開かれました。本のフェスティバルは韓国にもいろいろありますが、「坡州ブックソリ」は本を展示して、売り込むイベントではありません。ブックシティにある300あまりの会社がそれぞれ展示会や公演などを企画して開かれるアジアで一番規模の大きい本のフェスティバルです。本を読む人、書く人、作る人が一つになって坡州出版都市を紹介し、読書文化を広げるためのイベントなのです。今年はノーベル賞110周年に当たる年で、「坡州ブックソリ」でもノーベル文学賞110周年を記念して第1回ノーベル文学賞受賞者の第1回ノーベル文学賞を受賞したシュリ・プリュドムをはじめ、ノーベル文学賞に輝いた107人の作家の遺品などを展示する特別な展示会も開かれました。

生まれて6年目になる坡州出版都市は今、もう一つの変化を迎えようとしています。100店あまりの本屋が並ぶ本屋通りを作ろうとしているのです。彼らが夢見る本屋さんは本を売るだけではなく、作家と出会ったり、ゆったりとお茶を飲んだりできる、文学の世界を樂しむことができる空間です。

読書の秋、この季節に韓国にいらしたなら少しだけ足を伸ばして本と美しい自然、そして本を愛する人たちが集まっている街、坡州出版都市に出かけてみませんか。

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