北韓は、韓国に流れ込む臨津江(イムジンガン)上流の黄江(ファンガン)ダムの放流を始めたもようで、韓国政府は非常対応体制に入りました。
環境部によりますと、17日午後10時ごろの衛星画像では黄江ダムからの放流は見られませんでしたが、18日午前3時ごろから次第に流量が増え、河川の幅が広くなっているということです。
放流された水が、臨津江の韓国側のもっとも北にある水位観測所に到着するまでには9時間ほどかかるため、環境部は、大雨が1日中降る場合は、衛星画像によって、黄江ダムなど、南北が共有する河川の上流のダムから北韓が放流しているかどうか監視することにしています。
環境部は、住民の安全を確保するため、地方自治体とともに警戒情報の放送やパトロールを行っています。
梅雨による洪水被害を防ぐために、政府は、南北の合意にもとづいて、北韓側でダムから水を放流する際は、事前に韓国側に知らせるよう、先月28日、北韓に要請しています。
しかし、北韓は今月9日に続いて今回も、事前に通知せず、ダムからの放流を行っています。
2009年9月には、北韓が事前通知をせずに黄江ダムの放流を行ったことで、下流の韓国側住民6人が死亡しました。
この直後に南北は、北韓が黄江ダムの放流を行う際は、韓国側に事前通知することで合意しましたが、北韓は、2010年に2回、2013年に1回、事前通知せずに放流しています。