北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、政治将校養成機関で演説し、軍の思想による武装と忠誠を強調したと朝鮮中央通信が伝えました。
金委員長は25日、政治将校養成機関の金日成(キム・イルソン)政治大学で演説し、「軍隊を軍事技術的に武装する前に、思想的に武装させることが重要だ」としたうえで、軍人・武器・思想を「武装力の3大要素」と規定しました。
金委員長はまた、軍の強化にあたって、政治思想と道徳を強化したうえで、核武装を含むすべての軍事技術・装備の高度化を実現すべきだと強調しました。
金日成政治大学は、一般の野戦指揮官を養成する金日成軍事総合大学とは異なり、将校に対する思想教育と、党組織の運営を担当する政治将校を専門的に教育する機関で、1945年に設立されました。
北韓は、去年11月の大隊長・大隊政治指導員大会と、年末の朝鮮労働党中央委員会総会でも、「政治思想の強化」を強調しています。
韓国統一部によりますと、北韓が政治思想の強化を強調している背景として、ロシアに派兵していることや、全国各地の建設現場に軍を動員していることがあげられるということです。
統一部の当局者は、「若い軍人が海外への派兵と建設現場への動員を受け入れるのは、難しいため、軍の思想強化に乗り出している可能性がある」と述べました。